「断捨離」と言う
言葉が嫌いだ
というか
世間で言われている
「断捨離」という言葉は
正確に理解させているのだろうか
そもそも「断捨離」とは
本来、仏教の用語で、
在家とは異なり、
出家し僧侶になるために、
色恋沙汰や現実に思いを残さず
人生を捨てさせる方法
或は
インドのヨガにおける考え方に
引用されるが
仏教においては、
「煩悩を断ずる」
「ものを喜捨(布施)する」
「執着を離れる」
という言葉があるように
重要な語でもある。
特に「捨」という語は
仏教において大切なあり方であり
「捨」には二通りの考え方があって、
一つは通常の意味の「捨てる」ことで、
自分の身体を生き物たちに与える「捨身」
財物を布施する「喜捨」などとして用いられている。
もう一つは「無関心」「中立、平等」ということ。
「顧みない」「捨て置く」ということ。
「捨」は心のあり方、
心の作用を示したもので、
「心が特定の対象に向かわず無関心」
「心が対象に関して中立、平等」ということ。
心が対象をまったく無視したり
無関心ということではなく、
特定の人やものに執われずに
平等であること。
仏教では、この「捨」という心のあり方は
すべての善の心に
見出されるものだそうだ
つまり本当に捨てる
ということではないのだ。
確かに古くなった服
使えなくなったゴミと言われるものは
捨てざるを得ないものもあるだろう。
でも、そのものとの縁というものがある。
必要だからそこに本当はあったものなのだ。
よく友人関係も断捨離する人がいる
それはとても悲しいものだと思う
ある意味、
自分に都合の良い時だけ利用し
付き合い、遊び
自分が必要がなくなったら
交友関係を切る
これは人としてどうなんだろう
僕は関西時代に
こんな経験をした
ある得意先があって
そこで商談をしていた時のこと
ある代理店の課長が
「また担当になったんで、よろしくお願いします」
若い頃に担当させてもらったので
またよろしくお願いしますと尋ねてきたのです。
その後、得意先の役員が
僕に放った言葉
「彼は担当を外れてから、一度も当社に
顔を出さなかった」
近くにきているのも知っていたけれども
一度も顔を出さなかった
そんな人間が、また担当になりました
自分が都合の良い時だけ「よろしく」とは
どういうことだ
縁というのは
繋がっているもので
会わなくても
縁がつながっているというのは
間違いだと・・・
人は会うということが
大切であって
会えなくても連絡を取り合うことが
大切なんだと
その人は教えてくれた
必要な時だけ会う
必要な時だけ連絡する
それは良い人間関係を
形成するものではない
更に言えば
氣の良い人にだけ会う
運の良い人にだけ会う
それにあやかろうということも
間違いだと思っている
そういう生き方をすれば
良い時は良いかもしれないが
必ず、その反対の波がくる
大きな悪運を呼ぶことになる
自分の行いは
自分に返ってくるように
人生はフィフティVSフィフティなんだ
空に向かって
唾を吐いているようなもので
必ず行いは自分に返ってくる
都合主義で人と付き合えば
必ず自分も利用されるだけの人間になる
人間は思い上がらないことだ
私がこの人をどうにかしようとか
私ならこの人をどうにかできるなんて
思わないことだ
苦労は買ってでもしろ
それを乗り越えた時に幸せがくる
悪い縁を迎えに行く必要はない
良い氣・縁を迎えに行く必要もないのだ
つまり自然体でいるべきなのだ
神や仏はちゃんとみている
菩薩さまが近くにいてくれる時もあれば
悪縁も、それは逆縁の菩薩で
何かを気付かせるために
近くにおいているものかもしれない
すべては自然体で
受け入れて
何かに気付かなければならないのだ
僕はそう思う
僕は断捨離をすることは
自分の生きてきた道を
否定するものだと思う
今、自分があるのは
過去があるからだ
今、自分があるのは
支えてきてくれた人がいたからだ
苦しかった時
哀しかった時
寂しかった時
誰が自分を支えてくれたのか
その時の思いだけで
人との縁は切ってはならないものだ
人は縁に始まり
縁に終わるものだ
本当に大切なものは
心の目でみなければ
判らない
本当に自分にとって
大切な人は
自分の事をずっと
見守っていてくれる人
自分の私利を捨てて
自分を想ってくれる人
人は得てして
それに気付かず
その大切な人を
断捨離してしまう
そして
その大切さに
気が付いた時には
もう遅いのだ
しかし
そのことに気付ける人は
少ない
そのことに気付ける人は
本当にラッキーな事だ
人は失って
初めて
それが自分にとって
一番大切な人だったことに
気付くのだ
僕にとって
大切な人がいるとするならば
「水魚之交」でいたい
つまり離れることができない、
親密な間柄や交際のたとえをいう
水と 魚のように切っても切れない
親しい関係
僕は
そんな人間関係を築いて
生きていきたいと思う