ラブレター以前高校生におこなった授業のあといただいた感想の抜粋をご紹介しています。
昨日の生徒さんからのお手紙に対する私の感想です。

障害がある人たちを見た時に何かできることはないかと考えるけれど、
行動を起こしたことといえば募金しかなかった、という生徒さんが
「助けて欲しいと声をかけてもらう前に気がつけたらいい」
と思うようになったことを書いてくれました。
募金も確かに大事な支援です。


でも障害がある人にとって、募金をしてくれる人がたくさん増えるのと、
自分が生活する中で、さっと「手」を差し出してくれる人が増えるのと、
どちらがうれしいかと言えばやはり後者なのではと思います。


ちなみに、私で言えば、生まれつき腕がまっすぐにできないとか、
股関節の変形でしゃがむことができないというのは
相手との付き合いが長いか短いか、相手をどのくらい好きかということではなく
お話するタイミングを自分がうまく作れるかどうかで
すごく仲が良くても話せていない友人たちもたくさんいます。
タイミングがあっても、
「この人に言うと動揺させる気がする」

「この人は、どう反応したらいいか困るだろうな」
と思う相手には、どんなに大好きで信用もしていても、
話したあとに相手やその場の空気をまた自分がフォローするのは面倒なので
「まあ、いっか」
と思ってしまうことを繰り返して結局ずっと言えない、言わない、
という場合も多いです。


何が出来なくて、どんなときに手伝ってもらえると助かるかは、
自分の身体のことを知ってくれていることが大事なポイントになるので
当事者の人たちはいつも話すチャンスを、
当事者の周りの人たちは、相手から話してもらいやすい態度や言葉を、
いつも意識して育てるといいのかなと思います。
 

そこまでのこと(言わないとわからないこと)を
さりげなく手伝ってもらう、手伝ってあげるということができなくても、
「募金以外でも何か人を手伝える行動を起こしたい」
と思うのであれば、難しくないことでもたくさんあるし、
障害がある人ですら、誰かを助けることもできます。
私は学生のときに、筋ジスの方のところに通って
「はい」と言われたら本のページをめくる、

はがきや手紙、メールをその人が言うとおりに書いたり打ったりして代筆する、
お茶を飲みたいと言われたらストローを口元に持っていく、
などをしていました。

かゆいところをかいてあげる、というだけでも、

ものすごくよろこんでもらいました。
障害がある人が採用条件だった以前の職場では、
車椅子の職員が何か届かないものがあるときにはその棚の前に全盲の職員を誘導し、
言葉で

「上から3段目の、左端に近いところにファイルがあるので
そのファイルの右から何冊目を取ってください」

などお願いし、全盲の人が棚やファイルを手で触りながら

お目当てのものを取ってあげるという光景も日常的でした。
 

募金しか思いつかない、という人たちの参考になりますように。


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