不思議な制度 シナングヤー | パパはアフリカン・マリ共和国人 虎家の日記

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2010年に上海で出会い、2013年3月に東京で国際結婚、7月長男AD、2015年9月長女LEO、2017年10月次女MAI誕生。
アフリカ・マリの文化や国際結婚ならではのエピソード、
お茶目なパパ・ISの事、三児の子育て、YunのアレコレBlog。
2020年11月に東京→愛知県へ引越。

私のFBに、見ず知らずのアフリカン女性から申請が来ました。

ISに聞いたら、それはマリ共和国に住むISのイトコさん!
そのイトコは、なんと幼馴染のお隣の家に嫁入りしたのだとか。

そしてそのお隣の家は、ジャラーさんという名字だそうですが、そのジャラー家はトラオレ家にとってはシナングヤー(Sinanguya)になるそうです。

シナングヤー(Sinanguya)とは、各名字の一家それぞれに決められた相反する一家のこと。
例えば日本で言うと、佐藤家にとっては高橋家、鈴木家にとっては田中家、のように、すべて名字単位で決まっており、あちらの佐藤家にとっては高橋家だけど、こちらの佐藤家にとっては太田家ということはなく、どこの佐藤家でも絶対的に高橋家がシナングヤーで、高橋家にとっても絶対に佐藤家がシナングヤーである、というように二組同士で強制的に決まっているんだとか。

そのシナングヤーの意味と効果ですが、いうなれば「強い友情」と「助け合い」、「平和と紛争を避けるための同盟」ということだそうです。

例えば、佐藤家に何か困ったことがあれば高橋家が助けなくてはならず、もしも高橋家が戦争をしようとした時(極端すぎる例ですが)に佐藤家から「戦争を止めるべき」と言われたら、高橋家は佐藤家の話を聞いて戦争を止めなくてはならない、もしも街中で喧嘩をふっかけられても、名前を聞いて相手がシナングヤーだったら、どんなに腹が立っても手を出してはいけないし、普通なら聞き入れられないようなことでもシナングヤーからの話は受け入れなくてはならない、というような抑止力があるそうです。

そのため、兄弟の遊び、兄弟のからかい、とも呼ばれているそうな。
このシナングヤーは、古代エジプトにも同じ様な制度があったりと、アフリカでは随分と昔から受け継がれてきたそうです。

興味深い文化ですね。