
④運気学説
色んな世界観をたくさん集めたものが
運気学説です。
十干(天干) 十二支(地支)
↓ ↓
陰陽学説→ 運気学説 ←医学
五行学説→ たくさんの世界観を集めて
精気学説→ まとめた複雑な世界観 ←天文学
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古代の宇宙論 古代の気象学
天の気を読む十干と地の気を読む十二支を
合わせて干支(えと)とし、(六十干支・十干十二支)で
天地の気の流れを読みます。
五運(ごうん)といって主に季節の変化から
天地を読む方法。
六気(りっき)では主に気候の変化を通して
世界の気を読みます。
十二支を月にあてはめて1年を通した陰陽の
変化を重ねてみることもできます。
陰陽をそれぞれ3つに分けて三陰三陽とする
六気には主気と客気があって、
五運と六気は60年で1周する干支の中で
様々な関係を作り出します。
昔の人は「世界という大宇宙」と
「人間という小宇宙」は、同じ法則で動いていると
考えていたわけです。
運気学説でその年の運気がわかります。
例えば辛(かのと)の年には五行の中の水が
弱くなる。人間でいうと腎が弱くなりやすいと
いうこと。だから元々腎の弱い人はこの年は
注意する必要がある。
このように考えて「養生」するのです。
中医学において「養生」と「医学」は
繋がっているのです。
気や血の流れは24時間で1周する
そして気や血の流れには24時間で1周する
リズムがあると考えました。気の種類によって
流れ方も違うのでいろいろなバイオリズムも
みているわけです。
衛気(えき)という気でみてみると
子の刻(ねのこく)23~1時には、胆の経絡に
いちばん気がみなぎっている とわかるのです。
2010年でしたか。
横浜市立大学病院で肝臓がんに対する
時間治療を研究していると報道されました。
抗がん剤はがん細胞を攻撃して減らしますが
正常な細胞にもダメージを与えてしまうため
多くの量を投与できない。
しかし、正常な肝臓の細胞には抗がん剤を
分解する能力がある。この力は昼間はそれほど
でもなく夜にもっとも高まるというリズムがある。
この時を狙い抗がん剤を大量に投与すれば
がん細胞によりより強くダメージを与えることが
できる。
中医学では
肝の経絡に一番気がみなぎっているのは
丑の刻(1~3時)とされています。
この病院では朝4時に最大値をとるように
設定するとありました。
若干時間にずれがあったかと思いますが
中医学のすごさに驚きました。
髪の毛も抜けないし、手術も早い・・・
しかし夜中に投与するため人手もかかり
取り組む病院がなかなか増えないようです。
海外では時間治療のための装置も
開発されています。
早く日本でも実用化されるといいのですが。