一昔前は当たり前のように言われていた「いじめられる方にも原因があるのでは?」というセリフ。
こんなこと言われたら、腹が立ちますよね?
この決めゼリフは非常に曖昧ですが、相手を黙らせるにはかなりの威力を発するようです。
「いじめられる方にも原因がって、何が原因と言いたいんですか?」
と聞いても
「さあ、それはご自身で考えてみて下さい。」とか
「それが分からないからいじめられるのでは?」
などと言って、相手は自分の発言に責任持たずに上手く逃げてしまいます。
「いじめられる方にも原因があるのでは?」というセリフには、相手への思いやりや優しさは感じられません。
一昔前であれば、鼻水を垂らしていたり、汚い格好でいたりと衛生面などでちょっとね...という子は確かにいました。いじめられる方にも原因がある、というのはこういうことを言っているのでしょうか?
とりあえず、身だしなみを「原因」として話をします。
以前はそんな子もいました。しかし、今はほとんどいません。私は子供の小学校で、そこまで汚い格好をしている子は見たことありません。
それに、子供がそんな格好をしているとしたら、それは保護者がきちんと世話してない(もしくは世話する余裕がない)からであって、子供の責任ではありません。小学生にそこまで身辺の清潔さを求めるのは無理でしょう。(小学生という前提で話をしています)
それに、少々汚い格好をしているからといって、いじめて良い理由にはなりません。
嫌がられるのは仕方ないかもしれませんが...。
しかし、「いじめられる方にも原因がある」と言われるのには、一つだけハッキリとした理由があると私は思っています。
それは「境界線がハッキリと引けていない」ということです。そういう子はいじめられる側にも原因がある、という理屈に当てはまると思います。
境界線がハッキリ引けていないことが悪い、と言っているのではなく、それがいじめを誘発しやすくしている、ということです。
優しい子や気を遣う子がこうなりやすいです。
「境界線が引けてない」というのはどういうことか、分かりやすく言えば
「相手が嫌なことをしてきた時に、キッパリと嫌だとか、やめてという意思表示できていない」
ということです。
「ここまではしても良いが、ここからはダメ!」
とハッキリ相手に示せていない、ということです。
ハッキリ示せないと、いじめっ子のターゲットになったり、損な役回りを引き受けることが多くなります。
ちなみに、貧乏だとか、汚い子であってもこの「境界線がハッキリ引けている」のであれば、いじめられる要因があってもいじめられません。
「汚な~!」とか「貧乏~!」などと言おうものなら鉄拳が飛んできたり、恐ろしい目で睨まれたりするのが分かっていれば、誰もそんなことは言いません。
また、これは、いじめてくる相手に限りません。1.2歳の小さな子供でも、この相手になら自分のわがままを聞いてくれるなとか、この人はダメだな、ということをしっかり分かっています。
犬猫でもそうです。
同じ家族でも、お母さんの言うことは聞くけれど、お兄ちゃんの言うことは聞かない、ということがあると思います。ちゃんと相手を見ているのです。
なので
「いじめられる方にも原因がある」
などと言ってくる人がいたら、
「ああそうですか。分かりました。ではこれからはそこの所、きっちり意思表示しますので、そのつもりで。それについては口出しはさせませんよ。」という強い気持ちで 「突然人格変わりました作戦」
を遂行すれば良いと思います。
人でも動物でも無意識のうちに相手との距離感を測っており、自分はどこまで相手に甘えられるか(相手の境界に入れるか?)を絶えず探っています。
それについて詳しくは次回!
