男鰥だとこの程度の朝飯になる。基本自炊しないと気がすまない性格なのだ。
知り合いには結構朝から重いと言われるが、私には寧ろ軽すぎる。実家はもっと品数が多かった。朝5時に起きてランニングした後、6時に食べられるように準備する。
以前、和食が世界遺産に認定された時、寿司や天麩羅が世界遺産に認定された!と勘違いして騒いでいた奴がいた。
食事に対する考え方は文化である。私の朝ごはんは見ての通り、一汁三菜である。
小さい頃、この言葉を聞いて、なぜご飯が入っていないのか不思議だった。日本の食事とは、基本的には、米をはじめとした穀物を食べるための付け合せなのだ。よく「ご飯のお供」と言うが、実はおかずも椀物も全て「ご飯のお供」なのである。
そうした考え方が根底にあって発達したから、独特の食文化が出来上がった。しかし、それが結果的に、全体的にバランスの良い食習慣に繋がってきた。
何も、米を食べないといけないとか、小麦は食べるなとかではない、炭水化物を基本に添えて、タンパク質や野菜をバランスよく食べようとする感性自体が世界から認められたのだと思っている。例えば、日本人はパンと白米が一緒に出てきたらビックリするが、逆に炭水化物が一つもなかったらそれもビックリしてしまう。知り合いによると、アメリカ人には、この日本人の拘りが理解できないらしい。食事がフライドチキンだけなんてことはザラで、パンにするか米にするか悩んでる日本人は滑稽なのだそうだ。悩むなら両方食べればいいじゃん。日本人は、健康のために意識してバランス良い食事を食べているわけではない。染み付いてしまっているのだ。そう考えるとラーメンライスと言うものはおかしいが。
それでも日本人は長年の食習慣で、健康を意識しなくても、比較的バランスのとれた食事ができている。
勿論日本食が万能なわけではない。塩分が高すぎる、カルシムが足りない、と言う問題がある。
私は岐阜県の山間地にいるが、至るところに「減塩」を促す幟が立っている。
しかし、日本人の食事の感性が間違っているわけではない。これからも大切にしていきたい。しかし、一つ気になるのは、「パンがだめ」という考え方だ。私は先に述べたように、日本人の宝物は、長年の歴史で培われた食に対する感性だと思っている。決して米を食べることではない。私も、米を切らしたなどの理由でパンにすることがある。その時は味噌汁をコーンポタージュに変え、卵焼きを目玉焼きに変え、納豆をヨーグルトに変え、などする。
これだって立派な日本人の食の感性だと思う。