そんな幸せな時間は非情なほどのスピードで遠ざかり、今では見事なまでに、そんな穏やかな時間があったことなどはるか昔の幻になっていて、感覚が反転している。
当然、返却期限は過ぎていて、慌てて短編集の中の芥川受賞作のみ読んだ。
いつも思うことだが、受賞作というのは、やはり選ばれるだけの理由を持っているものだ。
その多くは時代の空気であったり、村上隆が盛んに言うようにそのジャンルの文脈であったりするが、それは表面的なことでしかない。
もちろん同程度の内容で、最終的に運の悪さで受賞を逃す作品はたくさんあるのだろうと思う。
でもそれは受賞作を否定する理由にはならない。
ある一定の基準を越えていることは間違いないからだ。
そのうえで、文学について言えば、自分は自分の中に基準がある。これをさえ越えられないものは、たとえ何かの賞を受けていたとしても、自分にとってはつまらない作品なのだと言ってしまって良いと思う明確な基準だ。にも関わらず、それを言葉で表現するのは難しい。
そこをあえて言葉にすれば、混沌ということになる。
自分の価値観や身の回りの人々の価値観を超越する。
読んでいるうちに、どこに向かうのか、わかるようでわからなくなる。
信じていたものが、今立っているこの世界の足もとが、揺らぐ。
その心地の良さを得たくて文学を読むのだと気づいた。
この作品について言えば、自分の目指している文体や世界観とは随分異なる作品だった。
なおかつ、微妙に古い。括弧書きで心の声や内容の補足をしている箇所が多くて読みづらかった。
しかし、混沌は存在した。そこである種のカタルシスを得ることができた。
さすが芥川賞、と思った。好きにはなれないし、ファンになったわけではない。
でも、受賞作であることに、間違いはなかったのだ。
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