幼い頃、世界一大切な人たちは家族だけだった。
つまりは、両親と妹だ。
世の中から刃物がなくなってしまえばいいのにと本気で思った。
母親が料理の途中で手を切りドバドバと血を流していたときと、父親が神田で酔っぱらいに絡まれ刃物を持った男に追いかけられたと聞いたときだ。
世の中の災いの全てが刃物に代表されていた。
小学生の頃だろうか。
…
いまや、大切な人たちは山のようだ。
いや、大切じゃない人なんているのか?
バランスということについて、
ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと…
ずぅっと考え続けてきたのだ。
全てを満足させることなど出来ないというのは前提で、結論だ。
その上で対立する二方が
或いは三方、四方、いくらであっても構わない。
皆がそれぞれ主張しつつ、引くところは引いて、納得し合えたなら、それに勝る策はない。
そんなことを、ずっと考え続けている。