ありふれた鳥(仮題) | 思いの坩堝

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モノカキになると誓った元単身赴任会社員の文章修行場です!

駅で見つけた掲示物に書いてあった、ハトの落とし物にご注意ください!の言葉が、私の逆むけになった脳みそに火をそそぎこむ。洋菓子のような箱に入ったまま何気なくそこに置かれているのです。あなたは気づく間もなく粉々に吹き飛ばされるのです。ハトだっていつまでも大人しく象徴のままの地位に甘んじてなどいるつもりはないのです。自力救済、実力行使。

ハトにくれぐれもご注意ください!
そんな世迷い言をいう者にろくなものはいないのだわ。ねえ、なんとかおっしゃって?
と彼女は僕の手を引きひき正しい場所へと導いてくれるのだ。繋がれた白い手。他のどんな機能を果たさなくともこれだけで十分と考えてもいいほどの完璧さで用意された白さの手。何もかも忘れ、ああ、この手に全て委ねてしまってもいいかもしれないと惑わす手。

こないだ拾ったあのハンケチーフはどこにいったのだろうな。バルザックの嘲笑のような絢爛豪華な極彩飾の。

(下書き)