職場の巡視員をしているKさんについて

車通勤は駄目なんですが、Kさんは足が悪くて許されています。

私が同じ方向の家なので、親切にも声をかけてくれて、ほとんど毎日

帰りは家まで乗せてくれます。1時間かかるところが、25分で着くので大助かり。

 

職場のみんなに、時折カレーライスや、ソーメンやらを作ってふるまってくれるような

気前のいいおじさんです。

話が合う面もあるのですが、政治の話とかになると、

俄然衝突するので、私は避けたいのですが、

私が韓国好きでもあり、よく吹っ掛けてくるんですよ。

 

 「俺は韓国が大嫌いだ」

昭和のおじさんたちはみんなそうで、もうウンザリ。

聞きたくもない。

単なる偏見で思い込んでいるのかと思っていたのですが、

それなりに勉強はしていて、そうとは限らないです。

本も何冊か読み、いろんなYoutuve動画を見ていて

かなり政治のことは学んでいるので、

私は太刀打ちできません。

毎日負かされていて、実際私はあの時代の朝鮮の事を

教科書にもなく知らないので、

その本を貸りて読んでみました。

 

 

    

韓国人に教えたい

日本と韓国の本当の歴史   

黄文雄(こうぶんゆう)

 

 

作者は、台湾人の東アジア情勢を文明史の視点で分析し

高い評価を得ている評論家

 

人名が多く、根拠を示すための数字がふんだんに盛り込んであるため

難しくて読みにくいものの大変面白かったです。

 

日本が一体どんな仕打ちをしてきたのか?

なぜ韓国はあんなに日本を恨むのか?

を知りたくて読んだのですが

そういうことは書いてないです。

 

作者は日本人ではないのに、日本を高く評価していて、

中国、韓国をかなり批判しています。

事実を検証しての理論なので、理解は出来るけれど、

ニュアンスはぜんぜん違うなと思います。

 

簡単に、理解しやすいことだけ抜粋してみます。

 

「朝鮮は1910年の日韓併合により、初めて独立を失い、日本の植民地となった。

終戦までの日帝36年の間に日本から略奪、弾圧など残虐な支配を受けた。」

という韓国人の歴史理解は誤りである。

日本がどんなに朝鮮半島に、経済的にもインフラ、教育、ソフト面全てに恩恵をもたらしたか

韓国が反日であることはお門違いだ

と根拠と共に延々と述べています。

 

日本が韓国に果たした歴史的貢献 

 

1、朝鮮半島は、統一新羅以来(紀元前3世紀ころ、衛氏朝鮮)、

1000年もの間、中華帝国の属国であった。

日清戦争で日本が勝った時に、中華帝国から初めて独立を認めさせた。

 

中国は、朝鮮を自国の延長と見なし、「冊封」関係を結んできた。

なので、中華帝国の天子との間に君臣関係を結び、

天子の定めた歴と年号を使用し、

貢物を献上する義務があった。

 

李氏朝鮮建国当初も、李成佳に国王の地位が与えられなかった。

高麗朝のコンミン王に仕えた武人イ・ソンゲは、その後を継いだ

ウ王、シンチョン王、コンヤン王を廃位に追い込み、

殺害し高麗王の禅譲を得た形で王位に就く。

イ・ソンゲは中華帝国への忠誠を誓い、朝鮮という名前を認めさせたが、

王位を力で奪ったことで、国王の印璽はすぐには与えられなかったのだという。

 

このあたり「六竜が飛ぶ」を思い出す。

時代劇をさんざん見てきたので、なんとなく理解ができる。

王を立てたり世子を決める、などの時にいつも中国に

それを認めてもらうように伺いを立てていた。

中国からの大使が来ると、大変気を使って接遇し、

貢物を用意していた。etc

いつも圧力をかけてきて、気に食わないから、いっそ戦おう

という意見もありつつ、大国には勝てないとほぞをかんでいたり、

裏では中国と内通しているものいたり。

無視できない関係であったことはよく理解できる。

 

19世紀では、高宗が即位するが11歳だったので

父の大院君が権力を握り、

強引な独裁をするが弾劾され失脚。

高宗の妻ミンヒが実権を握り、

特権階級が利権をむさぼる「勢道政治」で腐敗の限りを尽くす。

両班の搾取、略奪、税の取り立てやりたい放題で、

朝鮮王朝は滅ぶべくして滅んだ。

ここ「哲仁王后」でも出てきた1894年東学党の乱が起こる。

「朝鮮ガンマン」に登場のキム・オッキュン、パク・ヨンヒョなどが立ち上がり、

改革を試みるが、暗殺されてしまう。

このあたりの政治は荒れていて、にっちもさっちもいかないほど弱っていた感じ。

 

地理的にも中国、ロシア、などの大国に挟まれている朝鮮半島は、

どちらかの国に併合されてもおかしくない状況であったが、

日本の尽力で独立したのだと言っている。

大国に囲まれた朝鮮半島がロシアや中国に取り込まれては

日本に害が及んでしまうために、防波堤となる韓国を独立させたと日本は言っている。

日清戦争も日露戦争も朝鮮半島の取り合いが発端であった。

 

 

この朝鮮1000年属国であった論は、周りの国々からみればそうかもしれないが、

朝鮮は小さいながらも、独立しているつもりだったのかもしれないではないか。

小国故、攻められれば非力なので、仕方なく中国の顔色はいつも気にしていたが、

それが属国であったといいきれるかどうか?疑問。

 

2、産業社会化を達成

朝鮮半島は自然災害が多く、国土が荒廃していたが、

寺内正毅が治山治水をし国土改造に力を注いだ。

工業も発展させ、人口が倍に。

 

 

3、医療・衛生・環境改善・教育の普及

 

ウルは人糞などが道端に溢れ、衛生面が良くなかったという外国人の文献がある。

それで疫病も絶えなかったとか。

野外放尿シーンがドラマにあるのはそんなことも残っているのか?

 

ソウル大学の前身、京城帝京大学を、大阪・名古屋大学よりも先に創設。

朝鮮では、世宗大王がハングル文字を作ったものの、両班に反対されて

広がらなかった。。

当時の韓国は90%が文盲だったが、莫大な資金と人的投資を行い

学校を多く建設し、教育システムを完成した。

ハングルを広めたのは日本人だと書いてある。

 

えっ?映画「まるもい」は何だったのか

と言いたい。ハングル禁止で日本語強制していたではないか?

そのあたりは、齟齬が大きいので、眉唾だな。

 

 

4、日本と共に世界雄飛させた

 

 

5、伝統的階級制度から奴婢を解放した。

日本による万民平等制度によて撤廃された。

 

両班が幅を利かせ、税を取り放題、権力も金で買い取るような

ヒエラルキーが確立してしまっていた。

 

貴族→両班→中人(チュンイン)→常民(サンミン小作農で人権無し)

→賤民(商人、船夫、僧侶、白丁、巫女etc厳しく差別される)

→奴婢(家畜同然で売買される、人口の3割)

 

階級を作り、下より下を作ることで、不満をやわらげた。

奴婢には名前さえも与えない。

日本がこれを破壊し、戸籍を導入した。

 

「コッパダン」の主役女子には名前が無かった。

ケトン(犬の糞)と名乗っていた。

かなり階級を前面に押し出したドラマだったとやはり思う。

 

 

 

 

合わせて

「今こそ韓国に謝ろう」

百田尚樹

も借りました。

 

より分かりやすく書いてある。

いかに朝鮮という国が非文明的な国家だったか

をつらねていて、不快極まりない。

これらは事実もあるとしても、

一面的な見方である。

すでに遠い過去のことであり、

現在の日本と並ぶ経済国家となった韓国とは違う姿である。

過去のことを引きずるゆえんは無い。

また、国がそうであっても人は違う。

韓国の人たちがどんなに素晴らしいか、文化的かは、

作られたドラマや映画で十分にわかるし。

 

百田尚樹のことは元々知ろうともしていないが、

受け入れがたいものを感じていた。

この本を読んで、印象と全く合致。

デリカシーに欠け、自分の価値観で決めつけた言い方で、

多様性を認めていない古臭い懲りかたまった人間だと感じた。

この人が政党を立ち上げているのもぞっとする。


右翼系おじさんは

私に感想を求めるけれど

はあ?!それがなに?

って感じです。

「韓国が反日教育をやめて、賠償金の請求を止めて、真実を教えない限り

韓国は嫌いだ」と主張するKさん。

 私は、この本を全面的に信用してるわけではない。

かなり右翼的な人たちで、先の戦争を肯定している。

 

 

どんなに日本がいいことをしてきたと主張しても、

人への接し方が、上から目線の、見下したような高圧的な態度だったのでしょうね。

日本は韓国の方たちの心を踏みにじってきたのですよ。だから、恨まれているってことがわからないのです。


人間は行違うものだし、すれ違った心は簡単に修正できないし

とても敏感な問題なので、すぐにどうこうできないので、もどかしいけれど

幸い現大統領は日本にかなり歩み寄ってくれる政策をとっているので、

このまま維持できるといいと思います。