突発的平和(?)小説 | YUNAのひとりごと

YUNAのひとりごと

日々の出来事や 平和への愛を垂れ流します・・・。

(7)


何か心に引っ掛かるものを感じながら、大阪を守るべくお父ちゃんの代わりに激務をこなす。

……な~んて、そんなの嘘うそ。

お父ちゃんに見栄を切り勇んでやって来たものの、結局アタシは体調が悪いふりをして、与えられた自室に引きこもりを敢行していたのだった。……平蔵おっちゃんも大滝さんも、いつもと違うお父ちゃんの様子に代わる代わる部屋を覗きにやって来たんやけど。アタシはその心配を何とかかわしながら、お父ちゃん専用デスクに頭を突っ伏し大きく溜め息を吐き出したんや。

「甘かった~~めちゃめちゃ怖いんやもん…ココ……」

やって。朝、出勤するといきなりアタシは大滝さんに、お父ちゃんが長年追い続けてた犯人の取り調べをするからと取調室に放り込まれた。
いくら平次にくっついて幾多の犯罪を見てきたとは言え、こうして面と向かって犯人と対峙するやなんて。平次抜きでそんなことアタシに出来る訳もなく、怖さのあまりアタシは相手の目を見ることすら出来へんかったんや。

(あ…源氏蛍の犯人に拐われたときは平次おらんかったんやっけ……)

まぁ…あん時は意識を失ってて気が付つけば1人やったから、あれはカウントされへんかな?
……とにかく、犯人から初めて向けられる凶暴な眼差しに、冷や汗連続なアタシやったんや。

そしてそれを終わらせると休憩する間もなく、次は丸暴(暴力団)対策会議に出席。集まった面子はアチラの方々も逃げだす程の恐面ばかりで。アタシは、またまたその目力に身体中の生気を吸い取られ、力尽きてしまったのだった。

(ごめんなさい、お父ちゃん。刑事の仕事、ちょっと軽く見てて……)

窓の外はアタシの心と裏腹に雲ひとつない青い空。

(お父ちゃん……今頃どうしとるやろ……)

少しホッとして緊張の糸が切れたアタシは、寝不足だったこともあり知らず知らず自然と夢の中へ引き込まれていったんや……。



その夢に出てきたのは、昨日のアタシと平次。
アタシが思い出そうとしても思い出せなかった光景。
それはアタシがこんな状態に陥った原因でもあり……。

それを取り戻すことこそ、この現状を解決する たったひとつの方法なんだと。
夢から覚めた後に、アタシは知ることになるのだった。