さてさて、段々畑を横目にバスは山に向かってぐんぐん進み,
座席シートは取り外し可能で(座席の木板が取り付けられてなくてのせてあるだけ)、
山道ではちょっとした絶叫マシーン以上のスリルを味わいながら
幼稚園の入り口に到着する。
森の中にある一軒屋が幼稚園。
それは園長先生の家。その庭が園庭。
朝の挨拶に始まり,お遊戯前のトイレ。
手洗いや列をつくり順番を守る習慣づけを行っている。
お遊戯は綱引きに玉射れ、腹ペコ青虫の読み聞かせなど、
日本の幼稚園では当たり前のように見られる光景。
も、これはなおみんが根付かせてきたもの。
おばあちゃん先生はそれが良いものだと思いながらも、
なかなか自分からやろうとはしてくれないらしい。
内容の差こそあれ,これは全世界共通のようだ。
それまでの自分のやり方にこだわったり,照れくささなどから
なかなか現在の殻を破ることができない。
協力隊の仕事は現地の人のそんな殻を脱皮させる仕事なのかもしれない。
さて,職場見学の後は,家庭訪問にも同行させてもらった。
スリランカの一般家庭の家を訪問してその生活感を知りたかったからだ。
日本人が家庭訪問について行きたいと事前に連絡をしていてくれたので
幼稚園側で気を遣ったのか比較的裕福な家の家庭訪問となった。
なおみんは家族構成や家の仕事などを聞いたり,
幼稚園への協力をお願いしていたようだ。
家庭訪問をしたときはその家で食事が出されるのが通例のようで,
私も御相伴に預かってしまった。
身分制度の名残りなのか,お客を迎える時の習慣なのか
食事は客のみが食べ,家のものは給仕をするだけで,
有り余るほどの食事を用意してくれているそうだ。
たしかにお腹いっぱいになっても
まだ二回分ほどの食事量が残ってしまった。
余ったものを後で家のものが食べるのかもしれない。
そうだといいのだけれど・・・。
家庭訪問を二件行って,また“あの”バスに揺られて帰る。
雨が降り始めたので家の人が傘をさしてバス停まで見送りをしてくれた。
日本ではあまり感じることがない温かさを随所に感じる家庭訪問だった。
一番印象に残ったのは子どもの目の透き通った綺麗さだ。
「開発途上国」というフィルターを通してみているのかもしれないが
やはり日本の子どもにはない「何か」,日本の大人にもない「何か」が
ここにはあるような気がした。


















