11:44am
警察が駆けつけて交戦。
というけれど、実際は犯人がすぐに教室に鍵をかけてこもった。
1時間後に国境警備隊のSWATチームが到着し、やっと突撃して犯人を射殺。
問題はSWATチームが到着するまでの1時間。
なんで警官は襲撃犯相手に頼りになれへん!
小さなコミュニティなので、すぐに父兄や家族が学校に駆けつけて、「なんとかしろ!」と訴えていた。
そら、そーやん。
警察がおるのに、学校の周りで待機してるだけで、何もせんと国境からSWATチームが来るのを待っててんから。それも1時間も!
親なら自分が飛び込んで行って子供を救いたい、と思うのは当然。
ほんなら、ですね。
ある親は警官にペッパースプレーを浴びせられ、ある親は羽交締めにされ、またある親は手錠をかけられてん!
ナニ考えてんねん。
なんでわざわざ国境からくるSWATチームを待っていたかというと…。
相手はセミオートのAR-15を持って、教室に鍵をかけてこもっていたから、というのが言い訳。
警官の持つ普通の銃じゃ間に合わへん、ということですが…。
それで思い出すのは、ノースハリウッドのバンク・オブ・アメリカ乱射事件。
1997年に、男2人がお手製の防弾服で全身を覆い、自分でオートマに改造したライフルなどで銀行強盗。
駆けつけた警官多数が銀行周囲を包囲したものの、当時のLAPDは銃口9ミリ銃か39スペシャルリボルバー、トランクにショットガンを入れていた程度。
とてもオートマライフルの威力には敵わず、SWATチームが到着して初めて犯人は射殺された。
何人かの警官は、近くの銃店でAR-15を購入して応戦したという曰く付き。
この事件がきっかけで、警官の携帯銃が見直された。
私が1998年にハワイからスタジオシティに引越した時、レンタカーをするので迎えに来てくれたにーちゃんは、運転しながらバンク・オブ・アメリカ店舗を指差して、
「ここやで。乱射があったん」
と教えてくれた。
あれから25年。四半世紀が経って、まだ同じことやってるねん。犯人の方が威力のあるライフルを持ってるから、SWATチームが来るまで手が出えへん。
けど。
1999年のコロラド州リトルトンのコロンバイン高校虐殺事件の反省から、警察の対応は変わったはず。
あの時は爆弾を仕掛けられていたのもあって、警察は中々校内に入れへんかった。事件後、それが非難された。
それで、アクティブシューターにはすぐに対応するプロトコルができた。アクティブシューターとは実際に乱射している犯人のことですが、今ではそういう状況を指すように。
「僕はアクティブシューターのトレーニングしてる。トレーニングでは、もし自分1人やったら、もう1人来るのを待って、2人で銃声に向かって直行する。脅威が終わるまで被害者の世話はせえへんねん」
「僕は警察で何年もアクティブシューターのトレーニングしたけど、今回の警官の対応が信じられへん。開いた口が塞がれへん」
テレビで警察関係の人が言うてはりましたが…。
まずこのプロトコルでは、
「とにかく今ある武器で突入」
が基本らしい。
ほんで。どこの警察も学校の合鍵を持っているんやと。
さらにパトカーには、バリケードをぶち破る器具も積んでるモンらしい。
ところが、ですね。
やっと連邦管轄である国境警備隊のSWATチームが到着して、鍵のかかった教室に入るのにどうしたと思う?
校長を呼んできて合鍵もろてん!
ウバルディ警察は、そんなことも思いつかんかったんかい。
さらに。
ウバルディ警察は、自分らのSWATチームがあるねん!
人口1万3000人の小さなコミュニティの自治体予算の40%を、警察予算に使ってるねん。
そやのに、国境から連邦のSWATチームが来るまで、1時間も子供らが殺されるのを指くわえてて見ててん。ほんでそれに盾突く親には、ペッパースプレーや手錠をかけててん。
「長い銃撃戦の歴史の中で、僕が最も勇敢やと言うつもりはないけど、SWATチームが到着するまで狙撃犯を子供らのおる教室に閉じ込めて、警察は自分らの役目は終わったと思ってたんに愕然とする」
サバイバーの子供らの証言が衝撃的で…。
'IT'S TIME TO DIE' | A fourth grader who survived the mass shooting at Robb Elementary has shared gut-wrenching details about what he witnessed inside that classroom.
— KHOU 11 News Houston (@KHOU) 2022年5月26日
Read more: https://t.co/Tv0SVScuc7 pic.twitter.com/XkWJwxCVHm
「男が入って来て『死ぬ時が来たで』って言うてん。ドアの向こうで銃声が聞こえた時、お友達になんかの下に隠れ、ほんなら見つかれへんから、って言うてん。男は皆んなに乱射してて、先生2人とも撃って、先生は床に倒れた。テーブルの上に黒いカーテンがあったから、お友達にそこに隠れって言うてん。同級生が5回撃たれた。警官が来て『オーマイガッ。死体と血だらけや』って言うた」
この子、小4ですよ!
泣きもせずにまるで映画のストーリーを語るように話すこの子が、反対にめちゃくちゃ心配。
また別の11歳の子は、なんと!射撃されたお友達の血を自分に塗りつけて、死んだふりしたんやと!
お友達が血だらけになって倒れているのを目撃しただけで、その恐怖を思うと想像を絶するのに、この子は生き延びるために、瞬間的にその血を自分になすりつけた。
彼女も銃の破片が背中に入っていて、病院で手当てを受けたらしい。
また別の子は、死にかけているお友達の上に覆いかぶさって死んだふりを。
その子が覆いかぶさった時、お友達はまだ息をしていたと。
でもやっとSWATチームが来てその子も病院に搬送されたのだけど、そこで息を引き取った。
なおさらSWATチームが来るのを待った1時間が問われる。
小さなコミュニティだからだろうけど…。
犠牲者の子供の中に、少なくとも従兄弟が2組いたんだと。
この地獄絵図があったばかりの今日。
先日書いた国内テロ予防法案ですが…。
下院では共和党議員全員が反対票を入れたものの、民主党が与党のお陰で通過したアレ。
上院で案の定というか、共和党議員の反対に遭い否決。
この法案が通過したら、銃規制への道が開けててん。
日本の方は、アメリカ人はこんだけ犠牲者を出してるのになんで銃規制を嫌がるのか、と首を傾げるでしょうが…。
アメリカ人の90%は、銃規制の第一歩であるバックグラウンドチェックが必要だと思っているし、AR-15のようなセミオートライフルやアサルトライフルは禁止すべき、と思っている人も67%。
下のは、2019年に共和党の広告塔FOXニュースが実施した世論調査。
レッドフラグ法も81%が支持。
レッドフラグ法とは、本人の言動が銃所有に相応しくないと思ったら、銃が買えないだけじゃなくて、すでに銃所有者でも警察や家族が裁判所に訴えて銃を取り上げることができる法律。
ネバダも含む西海岸と東海岸などの民主党基盤の州及びあのフロリダでも州法としてある。
「この道の向こうで起こった恐怖をどうやって防げたか言うたら…。殺人犯はサンタフェ事件と同じようにして侵入してん。裏のドアから。鍵のかかってない裏のドアから。僕はサンタフェ事件の遺族と座って、どうやって学校の安全を強化できるか話しを聞いた。鍵のかかってないドアも含めて。教室のドアも鍵かけなアカン。学校に出入りできるのはドア1つにして、そこには武器携帯の警官を配置するねん。…」
「パークランド高校事件では、警官は逃げた。バッファロー事件では、警官はすぐに射殺された。ウバルディでは3人の警官が圧倒された。ベテランの警官も繰り返し失敗してる。そやのに、給食のドリスおばさんや、保健室のベティ看護師が、AR-15を持ったテロリストを止めて貰おうって思ってるん?」
ホンマに。
警官でもSWATチームが来るまで指くわえて見てたのに。
ほんでも国民が投票して選出するからやん、と思われるのはごもっとも。
そやのになんで銃規制に反対する共和党議員は当選するかというと…。
まず選挙で最も高い有権者の関心事は、いつでも経済、というのもありますが、それ以上に…。
まず上院は人口に関わらずどの州も2人選出、というのがある。
民意が公平に反映しない。
さらに上院には、基本的に60票の賛成票が入らないと可決しないというフィルバスターがある。
だからゴールデン・ウォリアーズのスティーブ・カーコーチが「50人の上院議員に僕らは人質に取られてる」と言ったわけです。
さらに。
ゲリマンダーというやり方で、選挙区を自分たちの有利になるように区割りしてるから。
例えばAとBという選挙区があって、どっちも民主党が多かったとする。ほんならそのままだとAもBも民主党議員が獲得する。
そこでこの区割りを真っ二つに割るのではなくて、共和党支持の地区を選ってギザギザに区切ってAとBに分ける。するとAは民主党だけどBは共和党が獲る。
ジョージア州のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員も、ジョージアに新しく共和党基盤の選挙区ができた時、わざわざそこに引越して出馬し当選した。
彼女の場合は、さらに対抗馬を脅迫したらしいけど…。
選挙区を決めるのは州議会だから、全州民の意見を取り入れる必要がない。自分らが区割りしたその地域の住民にさえアピールしてたらエエんです。
ほんで。私も知らんかったけど、なんでどの犯人も21歳未満はAR-15かというと…。
ピストルは連邦法で21歳以上しか買われへんらしい。けどその連邦法にライフルは含まれてないから、21歳未満の子はピストルは買われへんけどライフルは買えるんやと。
だからライフルも年齢を21歳以上に上げるべきやという声が高まってるとか。
なんつーか…。
当たり前とか常識を超えてるねんけど…。
「銃規制がなんで効果的やと思うかって…。手榴弾規制は有効やから」
「その通りや。ラモスはライフル2丁を先週買った。18歳の誕生日の直後や。コイツがもっと前に反抗に及ぶのを止めてたんは、銃を買うのは違法やったから。合法に購入できるようになった途端に実行してん」
銃規制を現実化するには、民主党が両院与党で、しかも上院ではフィルバスターを突破するために60人以上が必要。
歴史的に新しい大統領が生まれた後の中間選挙は、大統領の所属しない党が議席を伸ばすのが常。
今回は中絶禁止もあるし、銃規制もあるのに。お先真っ暗。
気が重いです。
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