システム開発においてレビューを行うことは不可欠。
ウォーターフォール型の開発では、
上流工程のレビューがより重要である。

設計ドキュメントをメンバー間でレビューすると、
誤字脱字や日本語の「てにをは」、ドキュメントのレイアウト
などの指摘などに時間を割いてしまうこともある。

また、修正方法の検討に入り込んだり、
指摘事項をきっかけに、経験豊富なレビュアーによる教育指導が
始まってしまうこともある。

「間違いだらけの設計レビュー[第3版]」(森崎修司・日経BP)
では、「修正工数の低減」がレビューの最大の目的としている。

一般的に、問題発見が後工程になればなるほど、修正にかかる工数
は増大する。レビューは、早い段階で問題を見つけて対応すること
で、こうした工数増大を抑えることが一番の狙いということだ。

時間が無限にあるのであれば、レビューで全ての問題をつぶすこと
に挑戦することもありえるかもしれないが、有限の時間をうまく
使うためには、後工程で発見されると大きな修正工数が必要となる
ものに注力すべきだという。

ドキュメントやエラーメッセージの誤字脱字の修正は、後工程で
行っても修正工数が大幅に増大することはないタイプ。上流工程
でのレビューでは、これらに時間をかけることで、後工程での影響
が大きいものを見逃してしまっては元も子もない。

また、同書では、レビュー会議においては、指摘された問題を他の
出席者も理解・共有し、同種の原因による問題が他の部分でないか
どうかを検討することも重要事項であるとしている。