韮山反射炉は1857年に完成し、18ポンドカノン砲など
の大砲の製造に使用された溶解炉。
明治になる前に生産は終了したが、現在もその姿を見る
ことができる。実際に製造が行われ現存する反射炉とし
ては世界で唯一のものだという。

高さ15.7m。実物を見るとまず目につくのは4本の煙突
部分。炉はそれぞれの根本部分にある。

炉の中に銑鉄と石炭を入れ、石炭を燃やした熱で銑鉄を
溶かす。熱は炉の天井で反射し、銑鉄に集中する。これ
により高温が実現できる。

溶けた鉄は、4つの炉の湯口から、井戸のように水をた
たえた鋳台部に集まるように流れ出す。水の中には鋳型
がありここで砲身の形になる。円柱形の砲身の元が、縦
方向に作られていく。

砲身のくりぬき作業は、水から引揚げ後、隣接する錐台
小屋で行なわれた。近くの川の流れを使って水力で円柱
を回転させくりぬいたという。

現在、反射炉の外面はトラス構造の鉄骨が付けられてい
る。これは昭和になってから補強のために付けられたも
の。