山卸は古くからある日本酒の製造方法における工程の一つ。
蒸米と麹、仕込み水を混ぜ、蒸米をを棒などですりつぶすこと。
人手でこれを行うのは大変な重労働であった。

醸造工程で不要な雑菌は、乳酸菌由来の乳酸によって駆逐するが、
山卸は周囲の乳酸菌を取りこむための作業でもあった。

周囲の乳酸菌を利用するが、すりつぶし作業を行わずに麹の力で
蒸米を溶かす方法が「山卸廃止酛仕込み」、略して山廃仕込み。
明治後半(1909年)に開発された製法である。

乳酸菌を周囲から取りこまずに、乳酸を直接使うことで、期間短縮
をはかる速醸という方法もある。