全従業員がコンプライアンスに則った行動を確実に行うために
コンプライアンス教育は有効な手段である。

適切にルールを伝えることで、知らなかったことによる
不正会計処理や法令違反を抑止することができる。

こうした教育において、
適切でない行為の具体的事例を示して説明することも
よく行われる。

何をやってはいけないかを知るための方法であるが、
例を示して「これはダメです」だけでは教育として十分ではない。

なぜ、それがダメなのかを合わせて伝える必要がある。

ダメな理由が理解されていないと、
拡大解釈により適正な事業活動も自粛してしまったり、
不適切な行為にもかかわらず事例と違う部分があることで実行してしまったり
といったことが起きてしまう。

残念なことに理由の説明がなされず、
これはダメということだけが示されることが少なくない。

受講者が理由が何かを質問すればよいではない。
多くの場合、理由を確認しようと思っても
「これがダメだということが分からないのか」と一喝され、
コンプライアンスを理解しない従業員だとの
レッテルを貼られてしまうのではないかとの考えが頭をよぎる。

説明する側は質問を待つのではなく、自ら説明する必要がある。