ゴールデンウイーク中に、ふじのくに演劇祭@静岡にいき、イナバとナバホの白兎を見ました。

宮城聰率いるSPACが、ケブランリー美術館の開館10周年記念として新作を依頼され、それにこたえて制作された作品。
ふじのくに演劇祭での上演は初演ではなく、初演は今月パリのレヴィストロース劇場です。
 
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イナバの白兎の神話とナバホ(南アメリカ大陸の先住民)の神話の共通点は、どちらも主人公が海を渡る旅だということ。
この世界の果てほど離れた地域同士の神話からある面白い仮説を導き出したのが、文化人類学の巨匠レヴィストロースです。
彼はイナバとナバホの起源となるおおもとの神話がアジアのどこかにあったのではないかと考察しました。
レヴィストロースの最後の著作に書かれたこの仮説に基づいて、宮城聰がイナバとナバホ、そしてその"起源となる神話"を 三部作の舞台にしました。
プリミティヴアートの殿堂、パリのケ・ブランリー美術館併設のレヴィストロース劇場で6月9日から19日まで上演されます。
夏至の日 フランスではfête de la musique(音楽)の日が最終公演なのには訳があります。それは観た人のみがわかる秀逸なストーリー。
 
静岡では野外劇としてこの舞台を見ましたが、都市の隙間のわずかな自然のなかで、私たちの遥かな祖先の足跡を垣間見ることができ、そのラストに用意されているメッセージに自然と涙がこぼれました。
パリにお住いの方は是非!日本語上演でフランス語字幕です。わたしもパリにもう一度観に行きたいくらいです。
 
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可愛い水出し緑茶のスタンド。
 
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野外劇場が公園にできています。
満席でした。