ブラッチャーノから電車とバスを乗り継いで、
ローマにある旧ユダヤ人地区、Gettoゲットーへ行ってきました。
ローマのゲットーは16世紀半ばに時のローマ教皇パオロ4世によって定められた地区です。
今ではユダヤ人以外でも出入りできますが、
ユダヤ教の戒律に則った食事を提供するお店が界隈にひしめいています。
あと、比較的、昔ながらのローマの面影が色濃く残る地域でもあるんですよね。
ユダヤ人地区という閉じられたコミュニティによって周囲の環境もそのままに残された、
というより結果的に残っているのだと思います。
ものすごく良いお天気!
ヴェネツィア広場でバスを降りて5分ほど歩くと……
古代ローマのマルチェッロ劇場に到着。
コロッセオのようなデザインですけど、実はこのマルチェッロ劇場は紀元前13年の建造です。
コロッセオは紀元80年。
より多くの収容可能な円形競技場コロッセオの建造に当たり、
このマルチェッロ劇場のデザインをベースにしたと言われています。
マルチェッロ劇場は、今でも夏だけコンサートが開かれる現役のローマ遺跡。
日本なら囲いをして遠くから眺めるだけになりそうな遺跡も、しっかり現役で使われるイタリア。
そして、このマルチェッロ劇場の使いまわしっぷりはさらにすごくて……
16世紀に最上階に増築された家に、なんと、今でも人が住んでいます
さて、このマルチェッロ劇場脇の細い道を通り抜けると、旧ユダヤ人地区ゲットーです。
これはウチにある画集なんですけど1800年代ローマの風景がいっぱい載ってます。
ゲットーの様子もいくつか収められていまして、昨日、出かける前にちょっと眺めていきました。
上の絵の中にもあるようにここは当時、魚市場として栄えていたそうです。
イタリアでもっとも大きな魚市場、今の日本なら築地、豊洲的な。
古代ローマ後半からずーっと魚市場で、1800年代終わりまで続いたそうなので、
1,000年以上も延々と魚が売られていたエリアなんですねぇ
そこをゲットーに定め夜間の出入りを禁止、ユダヤ教徒を閉じ込めたって、
なんかキリスト教徒の意図を感じますね
この絵はオッターヴィアの回廊建築の奥を描いたものなんですけどね。
上部が三角形でアーチのある建造物、分かりますか?
コレなんですーっ
紀元前27~23世紀に建造されたオッターヴィアの回廊建造物。
191年に火災で崩れたものを203年に修復・再建、現在に至る
というわけで1800年代の絵に描かれている風景が現存してるのは当たり前。
歴史の重なりがとにかく、すごいっ
こんなふうに古代ローマの建造物から中世の面影まで色濃く残すローマのゲットー。
ローマ観光の際にはぜひ訪れてほしいと思います。
オンラインサロン配信のあと、このお店でアペリティーボしました。
ゲットーにはユダヤの戒律に則ったパン屋さんやレストランが多く集まっているのです。
アペリティーボプレートにしました……飲み物付きで12ユーロ!すばらしい!
中央に乗ってるのはユダヤ風アーティチョーク。
丸ごと素揚げにしてあります。
一般的にはひとつ丸ごとを花のように開いて揚げるのですが、
おつまみセットなので1/4カットです。
ほかに、ポテトフライ、ひよこ豆のペースト、
トマトとオリーブのブルスケッタにひよこ豆のコロッケみたいな揚げ物。
ユダヤ教では「コーシャ」という、
ひづめの割れてない動物の肉、イノシシや豚、馬肉などはNGとか、
ト殺から解体、清浄方法の決まり事とか、
乳製品と肉を同時に摂取してはいけないとか、
食事に関するけっこう細かい決まりごとがあるんですね。
うっかり、豚エキス入りのヌードルを食べちゃったり、
食べても良い牛肉でもミルクシチューだったりしたらNG。
きっと、衛生状態の良くない、冷蔵庫もないような時代に
お腹を壊さないよう考えられた決まり事なんじゃないかなと思います。
それが戒律として残り、今では宗教的な意味合いが強くなっている。
そういえば機内食でもコーシャメニューがありますよね。
ローマの旧ユダヤ人地区は7、8年ほど前に1度、ユダヤ風アーティチョークを食べるために訪れただけだったけど、
今回は散策にあたりいろいろ調べて多くのことを知ることができて良かったです。
やっぱり、旅は良いねぇ