ブラッチャーノ近郊、海沿いの町チェルヴェーテリ。

ブラッチャーノ同様、日本ではほとんど知られていませんが、

ここにはユネスコ世界遺産に指定されている死者の町、ネクロポリスがあります。

 

エトルリア人は、死んでも今と同じ暮らしがずっと続くと思っていました。

なので、お墓のなかに生前の暮らしで使っていたものをすべて持ち込んだんですね。

ローマ人が入ってきて、キリスト教の死生観が広まり、

いつしかエトルリア人のお墓、ネクロポリスは忘れ去られてしまいました。

 

ネクロポリス、死者の町が再発見されさまざまなエトルリア時代の遺品が発掘されたわけですが、

それらを保存、展示してあるのがチェルヴェーテリのエトルリア博物館です。



 

発掘当時の写真に合わせて出てきた品々が展示されています。

どれもだいたい紀元前700年、2700年前のものたちですポーン



 

膨大な量の出土品がありまして、なかでも焼き物はなかなか興味深いです。

メタルのように黒く輝くカップやジャグは、実は陶器。

鉄製品が高価だったので、日々の生活にこうした「なんちゃって鉄製品」が人気だったようです。



 

まるで和食器のような小皿もいっぱい。

現在のイタリア食文化ではこうした小皿を使う習慣は、ほぼ、残っていません。

どんなふうに使っていたんですかねぇ。

日本のように取り分け用の銘々皿として使っていたのでしょうか。


 

ステキな模様が描かれていたり、まるで日本のしょう油皿やおちょこのような小さな陶器たち。

オリーブオイルでも入れて使っていたのではというのが、仮説の一つ。

なんせエトルリア人は文字を持たない古代民族。

持っていたけれど、ローマ人に完全破壊されたともいわれてますけど。

 

そんなわけで、彼らの生活ぶりをいまに伝えるのは

こうしてネクロポリスから発掘された品々でしかないのです。

それでもいろんなふうに考え、想像して楽しむのも、面白いところです。

 

そうそう、私のお気に入りの墓棺の人にも再会してきました。

 

 

 

こんな想像をみんなでしてみたのですが、いかがでしょうはてなマーク