魚介から出ただしって美味しいですよね。
お鍋のあとのスープを捨てちゃう人はいないと思います。
たいていそこに〆のおうどんとか、ゴハンとか入れますよね。
イイダコのトマト煮を作ったとき、トマトソースが微妙な感じで残ったので……
ムール貝の白ワイン蒸しのときもしかり。
パスタを入れてもいいけど、焼いたパンもいいですよ。
最初からこうしてサービスするお店もありますしね。
パスタもパンも、料理を最後の最後まで美味しくいただくための知恵。
日本のお鍋のあとの雑炊的なものです。
さらにイタリアには、もっとすごい知恵があります
料理を食べたあと、お皿にソースがくっついて残りますよね。
それをパンできれいにぬぐって、お皿を舐めたようにきれいにする習慣です。
もちろん、そのパンは食べます。
これは「スカルペッタ」と言うんですけどね。
「スカルペ」は靴という意味なんですが、なんで小さな靴みたいな言い方をするんでしょ。
ピカピカな革靴みたいに、パンでお皿をきれいに磨くから?
パンを靴の皮底に見立てて?
と思ってチェックしたら、
イタリア人でも何で?と思う人がいるらしく、すぐ答えが見つかりました。
由来としては2つの可能性が考えられるそう。
1つは、まさに「スカルペ靴」。
靴を履いて歩いていると、靴底にいろんなものがくっつきますよね。
パンを靴に見立て、お皿についたものをさらう様子が靴みたいということで、スカルペッタ。
もう1つは、「スカルセッタ貧困」という言葉から。
貧しい人がなべ底についたソースや他の人の残したお皿のソースまで
パンでぬぐって食べるような様子から来たとか。
いずれにしても、正式なマナーとしてはNGらしいです。
どうしてもやりたいなら、パンを手に持つのではなく、
フォークで刺してやるということですが、そこまでしなくてもねぇ