2023年3月某日 9時半
「人を入れらる状態じゃないねんけどな〜」
最寄り駅まで迎えに来てくた義兄は、
苦々しく呟きながら、案内をしてくれます。
なんせ13年ぶりです。
私は転勤族で、各地を転々とし、最近はコロナ禍もあり、
実家にも帰省せずだったので、大阪へ行くのも久しぶりです。
↓の続きです。
姉の夫は、理系男子のインテリですが、穏やかな性質で、
私を含め、家族の前では、
言葉を荒げたり、怒ったりはしないタイプです。
まさしく、断捨離番組の介護士妻さんの旦那様に似た感じの男性です。
13年ぶり足を踏み入れた
姉夫婦宅は、見るも無惨なゴミ屋敷でした。
どこがあのお家より、マシやねん!?
どこがあのお家より、片付いているんや???
どこが、どこが、どこが、どうマシやねん???
この↑言葉が、何度も頭の中でリフィレインされました。
玄関は靴だらけ、ミネラルウォーターの段ボールの山。
多数の段ボールと、物が積まれて、狭く歩きにくい廊下。
カーテンが閉まったままの薄暗いリビング。
ソファーの上には、洋服がうずたかく積まれ、
ダイニングテーブルの上には、書類と物がびっちり置かれ、
床には万年床らしき姉の布団。
そして、床中に、物、物、物、段ボール、殻ゴミ、
除菌スプレーやペットボトルが、あちこちに転がったいた。
かろうじて、床が見えたリビングテーブル下には、
なんと砂があった。
きっと、埃が砂化したと思われる。
一体、最後に掃除したのはいつなのか!?
リビングのいろんな所に洋服が掛けられ、
そして、キッチンにも洋服が掛けられており、
流し台の前は以外には、立つスペースは無く、
こちらも物と段ボールだらけ。
ガスコンロの上にも、うずたかく物と書類が積まれていた。
そして、換気扇からは埃の氷柱が、垂れ下がっていた。
もう、信じられなかった。
こんな部屋でコロナ禍を過ごしていたなんて!?
気がおかしくならなかったのが、本当に不思議。
在宅勤務はどこで仕事をしていたんだろう???
嫌、むしろこの無惨な地獄のようなゴミ屋敷に、
居続けられる感覚に、あっぱれ!?
これが、思考停止、感覚麻痺、感性の鈍化が
なせることなのか!?
2022年には、姉夫婦と私達夫婦で、宮古島へ旅をして、
大奮発してリッチなホテルやヴィラに宿泊した。
あのラグジュアリー空間から、このゴミ屋敷に帰ってきて、
何も感じなかったのか!?
不思議。
不思議。
不思議というか? 謎でしかない。
人は、見たい物しか見ない。
脳は膨大なエネルギーを有する場所なので、
自動的に情報選別し、取り込んでいく。
膨大な物を片付ける労力の困難さを認識すると、
無意識にゴミ屋敷状態を気にしない意識へと切り替えるのだろうか?
私の眼に映る姉夫婦のゴミ屋敷は、
姉夫婦が見る自宅の有様とは、全く異なる光景なのかもしれない。