都会のざわめき
無機質な空間の中を
行き交う人々
ガラスとコンクリートの森に
きしむ靴音、重なる残響
誰一人として交わらない視線が
平行線のまま、未来へと流れていく
改札口を通り抜けるたび
記号化されていく体温
すれ違う見知らぬ誰かの肩に
かすかな孤独の影が爆ぜる
液晶の光が照らし出すのは
感情を置き忘れた横顔
波のように押し寄せる雑音の中で
沈黙だけが、やけに重く響いていた
それでも確かに、ここにある
何千もの呼吸と、それぞれの夜
無機質な四角い箱の隙間から
誰かの小さなため息が、白く消えてゆく
- 前ページ
- 次ページ
