今日も暖かな一日で、

芝居小屋の中も暖かかった。

 

そして、

今日もかぶりつきのいいお席。

先日のど真ん中から二つ上手よりの席だった。

 

 

役者さんは間近に、

舞台に落ちる雪も膝に落ちてきた。

 

今日の感想。

 

どう書こうかと迷う。

 

とにかく楽しかった。

楽しい演目で、

今日も、

小さい芝居小屋でこそ楽しい演出だった。

 

『松竹梅湯島掛額』は

八百屋お七のお話をベースの話だ。

が、私たちの知っているお話とは少し違うストーリーだった。

 

前半の場は、

お七の吉三郎への恋心を助けるために

幸四郎演じる長兵衛があれこれと画策。

幸四郎が明るく楽しく座を盛り上げる。

それが楽しい。

お七が追っ手から隠れるために

額縁の天女になる趣向も面白いし、

地元のお酒やうどん、

今はやりの言葉も出てくる。

幸四郎の新鬼平の宣伝まで登場。

こんぴら舩々では会場を巻き込んで手拍子。

 

とにかく、拍手や笑い声で

小屋内が満たされた。

 

染五郎演じる吉三郎の若侍姿が

りりしく美しかったのは言うまでもない。

お七が恋焦がれる相手なので

さもありなんと思わせる美形であって欲しい。

 

後半は

お七役の壱太郎の一人舞台のようなもの。

 

人形浄瑠璃の人形になって演じる姿が見物。

壱太郎の人形振りが楽しめた。

が、前半とは違い、

恋する男のために厳しい罰がくだるのも顧みず

閉じた門を開けてもらうために

太鼓を叩くという緊張感のある演目だった。

 

 

先日見た『沼津』の方が情感等が

演じる方も演技力が必要な演目のようだ。

それをわかるためには

ストーリーと役者さんについて

よく知っておく必要があってこそのお話のように思う。

わかる人にはわかるという。

 

それに対して、

今日の演目は

芝居の楽しさがあちこちにちりばめられ、

歌舞伎にそれほど知識が無くても楽しめる演目だったように思う。

 

35分の休憩後の踊りは

『教草吉原雀』

 

雀右衛門と鴈治郎の二人の踊りに

幸四郎が加わる。

 

舞台上での着物の替えもあり、

おもしろく鑑賞できた。

 

幕が閉まった後も拍手が続き、

幕が開いて3人の挨拶があった。

 

歌舞伎でこれを見るのは初めてのように思うのだけど・・・

 

最近はあるのかなあ。

 

 

先日と比べて一つ気づいた事があった。

 

舞台のつくりに違いがあった。

 

今日は、舞台が平面で、

最前列でも足元までちゃんと見えたが、

昨日は10センチほど高く舞台が作られ、

足元が見えにくかった。

 

なんとなく、見えないなあと思っていたが、

たかが10センチ、されど10センチ。

見え方がずいぶん違った。