先日、 展覧会コーディネーター オーストリア国家公認観光通訳ガイド 幸子さんのツアーで、セセッション(ウィーン分離派会館)に行きました。
 
青空にセセッションの白い建物が映えます。
 
オーストリア人は、上に乗っている金色の丸い月桂樹の装飾を「金のキャベツ」と呼んでいます。
 

 
1階はいつも期間限定の特別展示をしています。
 
 
この日はなんだか前衛的なアートが展示されていました。
この空間全体を使って音楽と組み合わせたアートです。
 
 
そして、お目当ての『ベートーヴェン・フリース』は地下にあります。
 
1902年の分離派の展覧会のためにクリムトが制作した『ベートーヴェン・フリース』は、幅34m、高さ2mあります。
 
クリムトが、ベートーヴェンの「第九」の世界観に感動して、それを表現したそうです。
 
ヘッドホンが無料で貸し出されていて、第九の合唱部分を聴きながら絵を鑑賞できるようになっています。
 
精霊たちが漂っています。
 
黄金の甲冑を着た騎士に、悪と戦うようお願いしています。
 
 
悪との戦いの場面。
 
ゴリラみたいに見えるのはギリシャ神話に登場する悪の権化テュポーン、
ゴルゴン三姉妹は死、不幸、狂気、
赤い髪の女性は淫欲、
金髪の女性は不貞、
太った女性は不摂生を表現しています。
 
手前に見えるのは、セッセションの模型です。
 
 
この場面では人類を幸福へ導くのは芸術の役目だと確信したそうです。
 
 
 
「人類の幸福への憧れは、
敵対する勢力を超えていくのだ」
 
「幸福」というより「天国」のように見えますが、
「敵対する勢力を超えれば」
地上が楽園になるのかも。
 
このきらびやかな「幸福」の絵と
第九の合唱部分がとてもマッチしています。
 
 
これが一続きの作品『ベートーヴェン・フリース』です。
 
 

ベートヴェンの第九を聴きながら

『ベートーヴェン・フリース』を鑑賞出来て、本当に感動しました。

 

ベートヴェンもクリムトも

芸術を通して真理に到達したのだな~と実感しました。

 

 

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