東日本大震災3.11 から13年です。
 
私は震災の日、当時2歳だった息子をつれて、ちょうど日本の実家へ里帰りしていました。
 
私の実家は愛媛なので幸い被害はありませんでしたが、ヘリコプターから撮影された津波がどんどん街の中まで押し寄せて、全てがなぎ倒されていく、あの悪夢のような光景を、リアルタイムにテレビで見ました。
本当にショックでした。
 
旦那が放射能のことを心配するので、休暇を切り上げて、急遽オーストリアに戻りました。
 
オーストリアに戻ってからも、日本のことを思って、毎日悲しかった。
 
そして、オーストリアに住んでいる日本人だけでなく、オーストリア人も、日本のことを想っていました。
 
ウィーン交響楽団は、いつも日本のファンにお世話になっているから、恩返ししたいと、チャリティーコンサートを開催しました。
 

フォルクスオーパーもウィーン少年合唱団もチャリティーコンサートを開催し、私はただ募金するよりはチャリティーコンサートに行って、そのチケット代を寄付したいと思い、色んなコンサートに足を運びました。

フォルクスオーパーのオーケストラは、チャリティーコンサートで、「君が代」を演奏してくれました。
私は、「君が代」を生のオーケストラ演奏で聴いたのは、その時は人生で初めてでした。
「君が代」の荘厳なオーケストレーションに感動するとともに、日本のことを想って、会場の席で顔を覆って泣きました。
 
そして、私自身もウィーン在住の大勢の音楽家たちと一緒に、チャリティーコンサートに出演しました。
 

 
会場は王宮の中にある
 
 
王宮レドーテンホールでした。
 
 
今日ネットで探してみたら、当時の写真を見つけました。
前の列の左から2番目が私です。
 
 
ウィーン在住の音楽家と音楽学生の演奏だったので、とても高い水準の演奏でした。
 
合唱で「ふるさと」を歌い、
3番の歌詞で
「山は青き故郷
水は清き故郷」
のところで、
 
「そんな日本が、放射能で汚染されてしまった」
と思い、泣きそうになるのをぐっとこらえて歌いました。
このコンサートはNHKラジオでも放送されたそうです。
 
20年ほど前ですが、私が帰国する前日に大型台風が直撃したけど、私の便は無事日本に到着したり、
 
別の年では、私のフライトの前々日にアイスランドの火山が噴火し、前日の飛行機までは欠航だったけど、私のフライトからは運航を再開したこともあったし、
 
日本へ出発する数日前に大洪水になり、実家の1階部分が床上浸水して両親が避難生活をすることになり、私は飛行機も休暇もキャンセルしたことがあったり、
 
なんだか、ぎりぎり自然災害を免れたことが度々あるような気がしています。
 
東日本大震災の時に日本に居合わせたこと、
そして今も生かされていることに感謝しつつも、
それに何か意味があるののだろうか?
私がその恩返しに何ができるだろうか?
という思いが、いつも心の片隅にあります。

 

 

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