そもそもパンの起源はBC8000年頃~7000年頃。
人類が初めて小麦を栽培したのは、チグリス、ユーフラテス川から
シリアをへて、パレスチナ、エジプトへと至る肥沃な三日月地帯と呼ばれる
メソポタミア文化発祥の地であったといわれています。

始めは、小麦を石でつぶしたものに、水を加え、煮炊きをし、
おかゆにして食べていましたが、BC6000年頃、
粉にして、水を加え、薄く焼いたガレットをつくるようになったのです。
これが無発酵パンの始まりと言われています。

その後、パンは古代エジプトに伝わって行きます。

小麦粉がエジプトで食べられるようになって、
まもなく、偶然放置されていた生地の中に、
空気中の野生酵母が付着し、発酵パンが誕生しました。

そして、製パン技術は古代ローマへ。
ローマ人のパン職人が育ち、ローマの発展とともに、
食文化も発展し、パンはローマ中に広まりました。

その後、ローマ滅亡後はキリスト教とともに
ヨーロッパ全土でパンは普及し、
製パン技術は僧院などで受け継がれて行きました。

製パン技術が大きく飛躍したのは、
ルネサンス時代の14世紀から16世紀頃。

フランス王家とイタリアの富豪メデイチ家の婚姻の際、
うでのいいパン職人やコックが王女とともにフランスに渡り、
宮廷に使えました。

ここで優美なフランス料理が発達し、17世紀には、
洗練されたフランスパンが完成されて行ったのです。

さらに、19世紀中頃には、パスツールが
パン生地などにおける酵母の働きを
解明し、その結果、酵母を工場で生産する事が可能になりました。

科学の発達と工業の進歩で製粉工場もでき、
パンの生産は資本主義の影響もありゆるやかに発達。
そして、20世紀に入り、
小麦の栽培、輸送手段の発展、製パン技術の発達と工業化、
設備の進歩により、さらなる大量生産が出来るようになったのです。