モンテネグロのダム建設について書いております。
モンテネグロ政府のプレスリリースによれば、この会議で西バルカン諸国はEU加盟への道筋を強化するためには、脱炭素化に向けたエネルギー対策への取り組みが必要であると再確認したとしています。
EUが掲げる2030年までに二酸化炭素排出量料を大幅に削減するという目標のためには、EU加盟国のエネルギー政策の徹底が必須であり、これから加盟を目指す西バルカン諸国にとっても大きな課題となっています。
再生可能エネルギーへの転換に向けたクリーンエネルギー開発、エネルギー効率化対策など取り組むべき課題は山積みのなかで、再生可能エネルギーの1つとして注目されている水力発電所。
しかし、水力発電所建設については、環境破壊、生態系への影響が懸念され、周辺住民からの反対もあるため、EUは再生可能なエネルギーへの転換を推奨する一方、水力発電については慎重なようです。
水力発電事業は環境や生態系に与える影響を考慮し、EU環境指令や環境影響評価に適応する建設計画である必要があり、なおかつ地域住民、環境保護団体の理解を得ながら推進する必要があります。
今回で4回目となりました。
前回は( 8月の話ですが)モンテネグロのダム建設に反対する地域住民がいること、またバルカンの原生河川を守るための活動をしている人たちがいて、またその人たちをサポートする「パタゴニア」の支援活動について書いてきました。
「パタゴニア」が行なっている 「SAVE THE BLUE HEART OF EUROPE CAMPAIGN セーブ ザ ブルー ハート オブ ヨーロッパ キャンペーン」。
バルカンの水力発電事業への資金援助に反対し、世界の銀行へ投資を中止するよう要請するための署名活動に私も参加しました。
さて、WWFからもモンテネグロのダム建設が自然環境へ悪い影響を及ぼすと警告が出ていましたが、モンテネグロ政府はどう対応したのかを知りたくて検索してみましたが、なかなか探せませんでした。
そこで、モンテネグロのプロサッカーリーグで活躍する日野健人君にお願いして、彼の友達のクリスティーナさんにダム建設について聞いてもらいました。
クリスティーナさん 、日本に興味があり日本語ができます。
春から日本への留学が決まっているのできっと日本で会えるはず!!!!と楽しみにしてるのですが
さて、彼女にモンテネグロのダム建設の進捗状況を聞いてみたところ、特に新しい動きとしてはニュースで上がっていないとのこと。
モンテネグロ語では関連ニュースは全くないそうです。
私が見た英語の記事を送ってほしいと言われたので、WWFがモンテネグロのダム建設に対して投稿した記事などを送りました。
新しいニュースはないらしいのですが、彼女はモンテネグロの人達がダム建設に反対している事は知っていて、反対されているにもかかわらず政府は建設事業を進めていると確信しています。
彼女のメールには、
2016年にモンテネグロ政府は中国の企業のダム建設の申し出を受けたはずだから、遅かれ早かれ国民の反対を押し切りダム建設をスタートさせるだろうけど、政府は依然として沈黙を続けている。
と書いてありました。
モンテネグロでは未だ行政は不透明な部分があり、情報はコントロールされているかもしれません。
もちろんそれは日本でも同じなのですが。
モンテネグロにおける水力発電事業、紆余曲折あるみたいで、出資者や海外の業務提携企業との合意はスムーズに行ってないようです。
2010年に政府が行った入札は成功せず、中国とオーストリアの企業は撤退したそう。
しかし、2016年には中国、トルコ、スロバキアの企業が興味を示しているとBALKAN GREEN ENERGY NEWSは報じています。
その後どこの国の企業が出資して進めていくのかはわからず、検索しても私は探せず、この件を放置してました。
が、26日に新たな記事を見つけました。
BALKAN GREEN ENERGY NEWSの2/22リリースの記事によると、2月21日にモンテネグロの首都ポドゴリッツアで西バルカン諸国のエネルギー政策の閣僚会議が行われたようです。
モンテネグロ政府のプレスリリースによれば、この会議で西バルカン諸国はEU加盟への道筋を強化するためには、脱炭素化に向けたエネルギー対策への取り組みが必要であると再確認したとしています。
EUが掲げる2030年までに二酸化炭素排出量料を大幅に削減するという目標のためには、EU加盟国のエネルギー政策の徹底が必須であり、これから加盟を目指す西バルカン諸国にとっても大きな課題となっています。
再生可能エネルギーへの転換に向けたクリーンエネルギー開発、エネルギー効率化対策など取り組むべき課題は山積みのなかで、再生可能エネルギーの1つとして注目されている水力発電所。
しかし、水力発電所建設については、環境破壊、生態系への影響が懸念され、周辺住民からの反対もあるため、EUは再生可能なエネルギーへの転換を推奨する一方、水力発電については慎重なようです。
水力発電事業は環境や生態系に与える影響を考慮し、EU環境指令や環境影響評価に適応する建設計画である必要があり、なおかつ地域住民、環境保護団体の理解を得ながら推進する必要があります。
その結果、建設場所、規模の再検討を余儀なくされ、海外からの投資、建設事業入札にも影響がでているのかもしれません。
西バルカン諸国はそのような課題を抱えて、今後の水力発電事業をどのように推進していくのか。
場合によってはモラチャ川のダム建設は断念せざるを得ないかもしれない、との見出しもありました。
今後、環境への影響が少ないとされる、風力発電、太陽光発電などの再生可能エネルギー開発へとシフトしていくかもしれませんね。
引き続き動向を見守りたいと思います。
モンテネグロのダム建設については、おばさんの自由研究はこれで最終回となります。
長らくお付き合いくださいましてありがとうございました。
バルカンの美しい川が次の世代、また次の世代へと引き継がれていくよう、祈っています。
さて、次回は環境への影響か少ないとされる風力発電についてです。
前にも書いておりますが、実はまだ投稿していない記事が保存してありました。
モンテネグロの広大な風景をお届けできればと思っています。
最後に、
ティバットの夕焼け。
ピンクに染まる海や山に心癒されてました。