宝田明さんが亡くなられたと


ニュースを見て知りました。


画面に若かりし頃の姿が映し出されても


懐かしい、なんて思いはなく


あぁ、このまんまの方だったなぁと、


何も変わらずの姿だと思いました。


私がご一緒させていただいたのは


2004年2005年公演のミュージカル


「34丁目の奇跡」でした。


サンタクロースにピッタリの素敵な紳士。


すらっと背が高く、姿勢が良く


穏やかな微笑みでも、鋭い視線をしていた。


地方公演ではお食事の時などに


よく満州でのお話をしてくださいました。


本物の体験を、そのまま隠さず包まず


分け隔てなく語ってくださいました。


お芝居の掛け合いも、


「君はどうする?」と投げかけてくださり


こちらの芝居を受けて


「ではこうしてみよう!」

「この方がいいかな?」


と向かい合っていただきました。


袖から見る姿も、楽屋でも、稽古場でも


どの宝田さんも、


何一つ変わりない宝田明さんでした。


戦争は誰も幸せにしないと


そうおっしゃっていました。


心より御冥福をお祈りします。