行きつけのカフェ、マイナースウィングの岡さんがSNSで短い文章で紹介されていたのを読んで、見てみたくなり映画館に久しぶりに足を運んだ。

 

好きな方、センスや好みに信頼のおける方の口コミの力が一番強い。

人が動くとはそうゆうことだ。

 

 

 

まるでミニマルミュージックのような映画だった。

 

繰り返されるルーティンの中に少しずつ変化があり、同じようでいて形を変え、静かな中にもパッションがある。

 

ルーティンといえば、思い出した映画。

 

「かもめ食堂」

これも、主人公サチエが朝市で買い物をし、プールで泳ぎ、食事を作り、太極拳のような体操、このルーティンの中に様々な出来事が起こる。

 

ルーティンはリズム。

 

 

 

静かな男、平山も理不尽な出来事があると怒るし、若い女の子にほっぺにチューされてびっくりするし、嫉妬もするし、言葉にできない思いを持て余して情熱が溢れてしまうこともある。

 

決して、「淡々と」生きているわけではない。

 

表に出ているか、出していないか。

 

見えているか、見せてないか。見えないか。

 

 

 

人が生きるとはそんなに短絡的なことじゃない。

視点も可能性も無数にあり、当たり前だけれど、思い込みほど危ういものはない。

 

 

 

「静かな情熱」という言葉が好きである。

辻邦生の「花のレクイエム」の帯に書かれたキャッチコピーの一部。

 

 

1月から12月まで季節の花のタイトルがついた短編集で、それぞれの「静かな情熱」が美しく描かれていてとても好きな作品です。

 

この作品は、数年前から取り組んでいる朗読とのコラボレーション「青木ひろこと櫛谷結実枝の北欧紀行」で取り上げている作品で、3/24(日)約1年振りに公演が決まりました。

 

辻邦生「花のレクイエム」からは「3月すみれ」を、そして北欧の物語からはアンデルセン「絵のない絵本」を予定しております。

 

お楽しみに。

 

 

 

映画のパンフレットを購入したのだが、数日経っても読まずにいる。

まだ細かいところが分からないまま、余韻を味わっていたい。