宮崎と熊本へ一人旅をしてきました。
目的は会いたい人に会いに行く。
そもそもこの旅の始まりは、いつもお世話になっている植物写真家であり音楽家のいがりまさしさんが「宮崎で農業をしながら音楽活動もされている謡楽舎の天満夫妻」に会うといいよと言って紹介してくださったこと。
一年前に脱サラをし、認定新規就農者になるための研修を受けていた夫はこの春から独立。
さて、わたしはどのように農業に携わっていこうか、音楽とどのように両立していこうかと考えていたときでした。
一番心惹かれたのが、天満夫妻は主にアイルランド音楽を演奏されている(ご主人の俊秀さんは他のジャンルも演奏されます)のですが、そのルーツミュージックの背景にある人々の営みに興味を持ち、大阪から宮崎の農村に移住し、農業を始めたという経緯でした。
つまり、アイルランド音楽は現地では主に農家や畜産家の労働の合間に楽しまれ大切にされてきた音楽だから、その背景まで経験してみようというのが農業を始めた理由の一つだったということです。
天満夫妻は謡楽舎というユニットで活動されていて、俊秀さんがアコースティックギターと三味線、智恵子さんがフィドル(バイオリン)と胡弓を演奏、そしてYorakusha Farmar's Cafeを週末営業されていて、わたしが訪れた一日目の夜はお店でライブがありました。
開演45分前くらいに訪れると、笑顔で迎えてくださり、受付、注文から、畑で採れた野菜たっぷりのディナープレート、配膳まで全てお2人でこなし、満席のお客様全てお料理が出し終わったら息つく暇もなく、ステージへ!
この集中力と体力は並大抵のことではないなと驚いてしまいました。
お2人の音からは美しい繊細さの中にもプリミティブな土着性を感じ、不思議な気持ちになりました。
この音の正体は、翌日、畑を見学させていただき、暮れてゆく高鍋の大地をカフェの大きな窓から眺め、美味しい手作りのお食事をいただきながら、お2人とたくさんお話した中で答え合わせができました。
人間らしくあること、心身ともに健康であること、幸せとは。
天満さんは地域社会や風土そのものとの繋がりをとても大切にされていて、その中で生まれる音楽を追究されていました。
最近では宮崎の民謡にも掘り下げてアレンジし、作品を発表されています。
日本人が外国の伝統音楽を演奏する意味、土地に溶け込む音楽、ルーツ、何のために音楽があるのか、これらは最近のわたしのテーマだったので、このタイミングでここに来られたことは必然だったのだろうと思う。
紹介してくださったいがりまさしさん、そしてあたたかく迎えてくださった天満俊秀さん、智恵子さんに心から感謝申し上げます。
ありがとうございました。
書ききれないたくさんのエピソードや想いもありますが、そっと心の中にしまって…
天満ご夫妻
ギネスビールで乾杯🍻
地域おススメの芋焼酎🍠
焼酎はあまり飲まない方でしたが、上品で飲みやすくて美味しかったです!これはハマりそう!?
今は多品目を輪作でやっていらっしゃいますが、昔は原料芋を大量に作る慣行栽培も経験されたそうです。
ライブのときにいただいたスープ付きディナープレート
畑のお野菜も地元畜産のお肉もとっても美味しかった!
ライブステージ
イギリスやアイルランドを思わせる素敵な店内インテリア
壁塗装やキッチンカウンターなどDIYによるものも多いのだそう