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お菓子作りA to Z
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”T”
テンパリングって何?
テンパリングは【温度調節”調温”を示します】
ということを前回書きまして、
なぜ調温の必要があるのかの1回目として
カカオ豆のことからお話しました。
①カカオ豆についての記事は
こちらをどうぞ→☆
今回は②として、
色々あるチョコレートのことを
さらにお話していこうと思います。
①の中で、カカオ豆の成分である脂質として
「ココアバター」という言葉が出てきました。
*ココアバター=カカオ脂
前回、テンパリングの1回目のところで、
カカオニブを摩砕(まさい)すると
ドロリと出てくるのはカカオマスで
ドロリとするのは脂質(アブラ分)があるから。
そして、
カカオマスをさらに圧搾して出てくるものが
ココアバター(カカオ脂)というお話をしました。
実は”チョコレート”とは、
このココアバターの含有比率によって
規格があり、その規格を満たしたものが
何やら耳にしたことのある、
あの
「クーベルチュールチョコレート」
です。
"couverture"(仏)
クーベルチュールが
どんな規格かと言うと、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●ココアバター(=カカオ脂)を31%以上
含んでいること。
●非脂肪カカオ固形分を2.5%以上
含んでいること。
上記を合わせ、
●総カカオ分が全体の35%以上
含んでいること。
且つ、ココアバター以外の脂肪分は含まない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
というものです。
なぜこのような規格があるのかというと、
「品質を守るため」
なので、この規格は【国際規格】です。
製菓材料屋さんに行くと、
もしくは、
ネットショップなどでも色々な
「クーベルチュールチョコレート」が
売っています。
ではなぜ色々あるのかと言うと、
国によって、
メーカーによって、
カカオの%によって。
はたまた、目指す個性によって
何をどう組み合わせるか・・等々で、
商品が全て違ってくるからです。
例えばフランスの代表的なところだけ見ても、
こんな感じになります。
●「VALRHONA ヴァローナ」←メーカー名
↓以下商品名
- ・グアナラ←カカオ分70%
- ・カライブ←カカオ分66%
- ・マンジャリ←カカオ分64%
- ・カラク←カカオ分56%
*カカオ分の比率が低くなれば、
カカオの苦みが少なくマイルドになります。
いずれも不動の人気のもの☆
もちろん国はフランスだけじゃなく、
ベルギーやスイス等々あり、
求める風味や味わいによって
表記を見ながら探すのも楽しいし、
本当に色々あります。
私がレッスンでチョコレートを扱う時に、
よく使っていたのはヴァローナで、
中でも
・マンジャリ(64%)と
・カライブ(66%)の
どちらにするかでよく悩んでました。
いずれも程よい酸味と風味と、
甘みと苦味のバランスが良く
カラクも好きなんだけど・・
個人的な感覚ですが、
マンジャリは品よく華やかな良い女風
カライブは華やかだけじゃない
大人な良い女風・・
ちなみにカラクは
まだちょっと子どもな可愛さを残してる・・
みたいな。
思いっきり個人的見解だね
・・どれも個性があって美味しいんです
文字だけだと
イメージがつかみにくいかと思うので、
これから買う時の参考までに、
メジャーで買いやすいものとして
- ●フランス
- ●日本
- ●ベルギー
の会社のものを以下に。
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【フランス:ヴァローナ社】
パッケージには、必ずカカオ分が表記されていて、
大袋だとこんな感じで売ってます↓
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ちなみに、
ヴァローナ フェーブ カライブ
と書いてありますが、
「フェーブ」というのは、形状を示しています。
下の写真のように、
コインが楕円状になったみたいな感じが
↓”フェーブ”です。
☆こちらは↓カライブのカカオ比率より2%少ない
カカオ分64%の『マンジャリ』
2%の違いでも個性が変わります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆同じヴァローナでも、カカオ分56%はこちら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これらはいずれも量が1kgもあるので、
個人で使うと大変なので、
子袋タイプから試してみることをおすすめします。
製菓材料店や小売店等では
100g~300g等の
小分けで売っている商品もあり、
以下にも載せてます。
日本は本当に親切です
お菓子作りに慣れていて、沢山作る方なら
1kgの大袋は割安になるのでお薦めなんですが、
個人でちょっとしか使わないと、
保存状態によってブルーム現象が起きてしまい、
(写真参照:成美堂出版 チョコレートの辞典p33)
このような感じで、砂糖や脂質が白く浮き
風味も品質も落ちてしまうので、
注意が必要です。
でも、ある程度の量が無いと、
今度はテンパリングもやりにくく・・・
その辺はまた次回に書こうと思います。
クーベルチュールチョコレートは、
何も海外メーカーのものだけではなく、
日本でも大東カカオとか不二製油など、
メーカーがあります。
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【日本:大東カカオ社のもの】
カカオ分でこちらも表記名が変わりますが、
日本のものは分かりやすくて
「ビター(エクストラビター)」と
「スイート」の表記になってます。
☆ビター(エクストラビター)はカカオ分65%
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆スイートはカカオ分56%
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この大東カカオの500g販売の形状は、
いずれも1枚の大きな板状なので、自分で必要な分を
その都度削る必要があります。
削ると手にチョコレートが付くので
なかなか気持ちが挫ける時もあります。
でも、キッチンペーパーの上で、
もしくはペーパーに挟んで刻むと、
飛び散らず、溶けにくいので、
とってもおすすめです。
その刻む手間を省いたものとして、
この大東カカオ社製の
クーベルチュールチョコレートを、
製菓材料店のTOMIZ(富澤商店)/cuocaで
フレーク状にして、且つ少量の
200gにしたものもあります。
それがこちら↓
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
何かチョコレート菓子を作ってみようかな~
・・と思っているなら、
この位の量から始めてみると、
お値段量ともに、
気軽に楽しく始められると思います。
そして、このままでも
ボリボリ食べられます結局?
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【ベルギー:カレボー社のもの】
カレボーも美味しいので大好き♪
こちらは、
製菓材料店のTOMIZ(富澤商店)で
☆ベルギーのカレボー社の
カカオ分58%(カレボー3815)を
”ダーク”の表記で分かりやすく、
且つ小分けの100gで
商品にしたものです。
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同様に、
製菓材料店のTOMIZ(富澤商店)で
☆ベルギーのカレボー社の
カカオ分54.5%(カレボー811)を
”スイート”の表記で分かりやすく
こちらは小分けでも300gで
商品にしたものです。
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・・・・。
さあ、
ここまで見てきて、
何かお気づきではありませんか?
はい。
お値段が全然違います。
g数の違いもありますが、
例えば
ヴァローナの1kgは大体4000円前後。
一方
大東カカオの500gは1200円前後。
倍の1kgにしたとしても2400円位。
同じクーベルチュールチョコレートでも
お値段全然違います。
さて・・・
なぜでしょうね?
小分けになるほど
割高になるのは分かるにしても、
なかなかのお値段の差です。
まあ、海外のものは輸入品なので、
その分お値段が高くなることもありますが、
実は日本では、
チョコレートに関する規定が国際規格より緩く、
ココアバター含量は18%以上含めば
(国際規格では31%以上)
日本では
クーベルチュールチョコレートとなります。
*昔は”製菓用チョコレート”と
記載されていることが多く、
そこにカッコして
<クーベルチュールチョコレート>との
記載になっていたりしました。
また、ココアバター以外の油脂で
代用または配合したもの
(例えばパーム油とかココナッツ油等)は
”準チョコレート”という区分になります。
これで滑らかさを出したり、
油脂が安価なので、製品にした時に
お値段もグッと安くなります。
市販でスーパー等で商品として買えるものには
裏面の名称を見ると、チョコレート菓子とか
準チョコレートという風に記載があるので、
見てみるとなるほど~と分かりますよ♪
また、
「コーティングチョコレート」
として売っているものは
裏面を見ると
「洋生チョコレート」の表記になっています。
これは、ココアバターを含まないので、
(もしくは含有量が少ない)
テンパリングの必要がなく
便利に使えるものですが、
味や香りは劣ります。
一方、
チョコレートショップに行くと
ショーケースに並ぶチョコレート。
色艶良く、美しいですよね♪
もはや芸術品です。
一粒かなりのお値段がしますが、
これはクーベルチュールチョコレートを原料にして
テンパリングをしたり、ガナッシュにしたり
センターにペーストが入っていたり、
一つの作品に仕上げています。
なのでやはりお値段は高くなるわけです。
さて・・・
やっとここで本来の内容である
「なぜテンパリングが必要なのか」
ということに戻りまして。
そのヒントが
”子どもが初めて作る
バレンタインチョコレート”
板チョコを溶かして型に流して
固めて出来上がり♪
・・というものがありますが、
あれは、
正直 全然 美味しくない残念
高いチョコレートなら美味しくなるのかと
クーベルチュールチョコレートでそれをすると、
クチドケが悪かったり固まらず
もはやグチャグチャ・・なんてことにも。
でも、
愛情はこもってますので、
チャレンジする気持ちが素晴らしい☆
・・で、この謎を解くのが
何度も出てくる
カカオ独特のココアバター(=カカオ脂)
脂質の構成なのです。
次回テンパリングの最後の回で、
なぜチョコレートはクチドケが良いのか
のお話の中で、
この脂質の構成と
実際のテンパリングのことについて
書こうと思います。
いつも読んで下さり
本当にありがとうございます☆
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