ロシアによるウクライナ侵攻が始まる少し前。
この本を読みました。
今年度新しくなった光村教育図書の、中学校3年生の教科書で紹介されている本です。
白川優子さんは、国境なき医師団の看護師として、医療体制が整わない様々な場所へ趣き、その土地の人々のために仕事をされています。
白川さんがどうやって国境なき医師団に入られたのか…その部分もとても感銘を受けた部分ですが、今回はその感想は省きます。
この本を読まなければ決して気づかなかったであろう紛争地の現実が、私を驚かせました。
ボタン一つで落とされるその爆弾が、その地で暮らす人々の身体も精神も生活も奪っていく…そんな不条理に怒りながらも、人々を救いたいと懸命に治療する白川さんたち。
白川さんは、紛争が続き、人々が傷つけられ尊厳が奪われていく現実に悩み、「どうかこの現実を世の中に知らせたい、そして世の中を変えたい」そんな思いで看護師からジャーナリストへの転身も考えられたそうです。
最終的には看護師として生きていくことを選ばれたわけですが。
今日も私はいつも通りの朝食を作って子どもを学校に送り出し、ブログを綴る。でも国境なき医師団の方たちは、紛争が起こっている空の下で、人々の命をつなぎとめているのかもしれない…。
私にできることはちっぽけなことだけれど、まずはこの本を紹介することで紛争地の現実とそれに抗う強い意志を持った医師団について、少しでも知ってもらえたらなと思います。
すべての人が心も身体も健やかに生きていくにはどうしたらいいのかな。
そんなことを考えながら、一冊の絵本が心に浮かびました。
こちらはアリスン・アトリーさんのイギリスの絵本です。
でも、この色合いがウクライナの国旗である黄色と青…金色の麦と空の青を連想させます。
どうかウクライナの大地と空が、国旗のように金色と青色でありますように。
このむぎばたけの絵本のように、美しい夜に冒険へ出かけられるような日々が早く戻りますように。
国境なき医師団の人々が命をかけて医療を施さなくても済むような平和が、各地に訪れますように。