三歩歩いて思い出す -6ページ目

奇跡

何度奇跡を望んでは、その逆の結果を叩きつけられてきただろう

その言葉に助けられてことなんて無かった

いつだって、いつだって後悔しかしたことなかったから

不幸かな?惨めかな?馬鹿だよね?

何度裏切られたって、何度泣いたって

また祈ってしまう、『奇跡よ起これ』って

今までの後悔は忘れられる気がする

これから先の人生が不幸続きで構わない

だから、お願い『奇跡よ起こって』

もしも奇跡が起こるなら、君の前に僕はもう二度と現れない

もう二度と君を傷つけない

だから『お願い奇跡よ』

自分が隠してきた全ての事が、明かされて

自分の立場や、居場所や家族や仲間も何かもなくなったって構わない

だから『お願い君を助けて』

『神様おねがい 君を助けて下さい』

手術室の明かりが静かに消えた

恋文

「愛してる」より「ずっと側に居たい」と言ってほしい
「大好き」より「離さない」と言ってほしい
君との恋愛は不安な事が多すぎるから


例え夜遅くとも君の元へ飛んでいく手段がなくとも
「会いたい」と言ってほしい
悩みを抱えて独りで泣くより
僕にあたって僕のそばで泣いてほしい

全てに意味があるのだから


僕は君の全ては守れない
でも、君が君自身を見失わないように
光を照らし続ける事は出来る


優しい春の温もりも 眩しい夏の日差しも
鮮やかな秋の色付きも 突き刺すような冬の寒さも
いつだって君と一緒に分かち合いたい


薄っぺらく上辺だけの
『愛してる』や『大好き』を言うのなら
いっその事、『嫌い』と言ってくれ
それでもお互いが必要と感じるのなら
それは60億分の2の確率で出会えた運命なのだから


多くの人を愛し何度も傷ついて人は大人になっていく
だからこそ運命の人と出会えた時には
誰もが羨む言葉をその人に言える


はじめは格好を付けて言っていた言葉も
自然と自分の物になっていく


だからこそ思うんだ
「愛してる」より「ずっと側に居たい」と言ってほしい
「大好き」より「離さない」と言ってほしいって

後悔

君との最後の日、君が差し出した手を握る事はなく僕はその場を立ち去った。


『いいんだ、これで』


何度も自分に言い聞かせては、瞳の奥が熱くなる感覚にをいまだに消せずにいる

あの時、君を受け入れていたら、君の手を引っぱってあげれたら

僕はあんな残酷な姿を見る事はなかっただろう

何度も見ては何度も後悔した

もう、君は僕のそばにはいない

何処にも、僕の知っている場所にはいないのだ

何度も自分を責めた、何度も何度も罵倒しては

ただ広がる沈黙が僕を締めつける


君の誕生日が間もなくやってくる、それと同時に君は名字を変えてまた歩き出す

愛するあの人と共に…


目の前のワインを一気に飲み干して、僕は『無意識』の中に自分を落とした