三歩歩いて思い出す -5ページ目

片思いの結末

二人で歩く夕焼けの道
大好きの言葉は彼女に向いていた
そっと見つめる私に気付かず
貴方は彼女を愛してた


誰よりも貴方の側に居て
誰よりも貴方を愛してた
それでも貴方は私の気持ちも気付かぬまま
彼女を選んだ


誰も貴方を責める事は出来ない
誰も貴方を止める事は出来ない
だから私は願った「この時よ永遠なれ」って
この夕陽が沈む時、貴方は彼女の元へ行く


どんな形でも別れは訪れる
貴方と彼女も、貴方と私も
この町で過ごした貴方との最後の時

旅立つ貴方は涙交じりの笑顔を見せた
発車の合図がホームに響き渡り
仲間たちに見守られ
乗り込む貴方の背中は不安に満ちていた
ガラス越しの音のない「サヨナラ」は
とても早く感じた


少しずつ貴方と私が引き離されて
少しずつ貴方と私に距離が出来ていく
まるで未来の二人を描くかのように
再会の約束はしなくていい、ただ元気でいてほしい
私は貴方を追いかける事無く、ただ立ち尽くした
全身の力が抜け、一筋の涙が頬を伝った


独りで歩く帰り道、いつもの何十倍もゆっくりと
亀の様に少しずつ私は歩いてた
君と歩いたこの道をあの時も今も私は独りだけど
貴方を好きな気持ちは同じだよ


真っ赤な夕陽が寂しく感じる
あの時と同じ真っ赤な夕陽が
ただ一つ違うのは君が隣に居ないだけ
それだけなのにすごく寂しい

決して届く事のない私の片思いの結末はいつだって涙しかない

虚言

「君なら大丈夫だよ」と満面の笑みの上司
でもその言葉の裏側は「失敗しちゃえ」と言っている
「助かった」と安堵の顔の同期
でもその言葉の裏側は「じゃますんな」と言っている


いつだってそう言葉の裏には本音があり
それを隠して大人は生きる
言葉の裏側を読み解く大人社会
素直な人が損をする


だから大人は好き勝手に生きる子供を嫌う
自分がしてきた事も考えずに
馬鹿な親が言っていた
「勉強ができなきゃいい大人になれない」って
その本人はどうなのさ?


「学校さぼって、バイクいじって、煙草ふかして喧嘩して
大人は汚いって言ってたくせに
すっかり今はロボットだ、気にするのは出世と業績
たまの休みはギャンブルかゴルフですか?
最高だね」


いつだってそう言葉の裏には本音があり
それを隠して大人は生きる
言葉の裏側を読み解く大人社会
素直な人が損をする
こんな親子喧嘩にも裏がある
「本当は愛してる」って本音がある


「勝手にしろ」の裏には「頑張れ」があり
「大嫌い」の裏には「大好き」がり
「消えてくれ」の裏には「側に居てくれ」があったりする
ややこしい言葉の駆け引きをチェスの様に華麗こなす
そんな大人に僕もなって行く


でも一つだけ、本当に一つだけ願う事は
「愛情」を裏側に置ける大人になりたいって事だけだ!
「勉強ができなきゃいい大人になれない」って
その裏側に「俺の様になるな」って言葉が隠れてた父親の様に

※これから先の文章には一部過激な表現が使われています
 あまり好まない方は読まない事をお勧めします。




誰もが心に潜める闇を見て見ぬふりをしている
でもいつか必ず気付く、その恐ろしさに

普段は何も感じない刃物が美しく感じ
見つめ続けるとだんだん意識が遠退いて行く
理性さえも失い、手首に伝わる冷たい間隔でやっと気付く
その一瞬の判断が全てを分けるとも知らずに

誰もが心に潜める青い炎を見て見ぬふりをしている
でもいつか必ず気付く、その恐ろしさに

誰もが心に秘める触れてはならない扉に
誰かが触れた時、その憎しみは怒りと変わり
理性を失い、本能が目覚める
長い野生生活を生き抜いてきたハンターの本能が
人を殺め始めて気付く、もう元には戻れないのだと

毎日のようにこの地球上の何処かで闇は目覚め悪に変わる
「命を断つ」この言葉の裏側に二つの意味がある
両極端だが両方とも闇で悪である
その者を支える者を傷つけるという点では

しかし闇は必ず合図をくれる
気持ちが沈み、憂鬱になり、心の悲鳴が全身に響く
多くの者がその時気付く今の状況に
だからこそ何かを犠牲にする
無駄に騒ぐ者、買い物に走る者、中毒性の高い行為に走る者
第三者にあたる者、生活を壊しうるギャンブルに走る者
その他多くの法律に許された行為に走る
その全ては責める事の出来ない事であり、
その者が己を保つ術である

それでも、本当に人を闇から救いだせる術は
第三者による「愛のある本当の優しさ」でしかない
だからこそ人は寄り添う、闇を隠すために…