コンゴ~(少し古いけど転載) | 國分 夢志

コンゴ~(少し古いけど転載)

後ろで束ねた編みこみヘアー、ピンクと白のストライプのシャツ、大きな瞳に、小さなイヤリングをしたあどけない少女。



このどこにでもいるような15歳のマデリン(Madeleine)ちゃんが今月、2007年3月2日、ニューヨーク国連本部の壇上で数百人の大人たちの前で演説し、満場のスタンディングオベーションを受けた。




マデリンちゃんは、
アフリカのコンゴ民主共和国(DRコンゴ)からやって来た、元児童兵士の少女だった。




DRコンゴでは、1998から2003年まで、大規模な戦争が起こり、戦闘とそれによって引き起こされた飢餓、病気などで、300万とも400万とも言われる数の人びとが死んだ。




マデリンちゃんは11歳のときに連れ去られ、2年間を戦場で過ごした。



前線の戦闘へと借り出され、数多くのレイプや、性の搾取を目撃した。



「奴隷のように、 性の搾取に合ってきたわたしたちは、 正義を為すべき人たちから、 忘れ去られてきました。」




マデリンちゃんは、壇上から、国際社会の代表たちを前に、涙を流しながら語った。



「わたしたちは、わたしたちを助けるべるべき人たちから、忘れ去られています。
コンゴの児童兵士の40%は、少女で、その内の3割は12歳から15歳の女の子です。


そして、10人に7人、8人は、子どもを生んでいます。」



この責任は彼女たちにはない。
彼女たちは、自分勝手な大人たちの被害者だ。




もし、DRコンゴが、遠い国だと思うのであれば、あなたの携帯電話を見てほしい。


もしかしたら、そのあなたの携帯電話に、DRコンゴから違法に採掘された原料が使われているかもしれない。



DRコンゴは、金やダイヤモンド、ウラン、それからITになくてはならない希少金属の宝庫で、そして、国民の7割が栄養失調の、世界でもっとも貧しい国だ。





「世界は、この犯罪を認識すべきです。
そして修復不可能なこの犯罪について、謝罪すべきです。」



そう語りながら、マデリンちゃんが流す涙は、間違いなく、同じ境遇にある1万人以上の少女たちが流す涙だ。