このブログは開設当初はがんと闘う旦那の闘病記として

始めましたが、昨年8月、旦那は52歳で人生の幕引きをし、

現在はリアルタイムではなく、過去に遡って闘病記を書いています。

 

時系列で読めるようにタイトルに番号をふらせていただきました。

番号のついていない記事はまだそこまで辿り着いていない記事

になります。追いついたら順次番号をふっていこうと思います。

 

 

 

 

5月25日 無事にパクさん、サイさんの投与が終わりましたが、

投与の最中に嬉しい誤算がありました。

以前ここにも書いてありますが、内勤業務にやる気を

見いだせずにいた旦那が、ダメもとで会社の所長さんに

「トレーラーに戻りたい。」と直談判をしていたのでした。

おそらく、パクさん、サイさんの効果で調子が上向きになり、

絶対に大丈夫みたいな事や今の現状だと会社に行く事すら苦痛

になってきている。事などを切々と説得したんではなかろうかと

思います。半ば諦め気味にした直談判が逆転し、社長から

「トレーラー復帰のOK」が出たと所長さんからのメールに喜び、

これ以上にない生きる希望をもらった日でもありました。

6月1日から運転手に復帰したいとこはやまやまですが、

この日は治療の予定が入っているので、翌日の2日から

トレーラーに復帰する予定で、本人もやる気満々で久しぶりに

仕事に対して意欲が湧いて、仕事、治療と順調に進んでくれる

ものだと思っていました。

 

体調は時折、微熱程度の熱が出たりすることもありましたが、

翌日には平熱になり、心配することのほどではなかったのですが、

私が気にしていた血圧は上が120台、下が80台と好調を

キープしていて、降圧剤の効果なのか、耐性によるものなのか

判断はできませんが、ついこの間まで160を超えていた血圧の

心配をすることは少なくなっていました。

 

6月1日 抗がん剤治療と診察予定が入っていました。

朝から支度を整え、病院へ行く旦那の足取りが重たそうに

見えました。明日から仕事に復帰する。という事で気持ちは

とても前向きなのですが、体がついていっていない。

「大丈夫?なんかふらついてる気がするよ」

「うん。体がだるくて、ふらふらする感じがする。」

 

嫌な予感がする・・・。初めて治療をスキップした時は想像も

しなかった白血球の減少が原因。そして次は謎の脾臓の腫れ。

結局原因はわからずじまいだったけど、転移もなくやっと安心して

治療に挑めるようになったはずなのに、顔色も悪く、見た目には

貧血?を感じさせる体調で、内心「今日、ダメかも・・・」と

思っていました。

 

血液検査や血圧を終え、調子が悪いので順番が来るまでの間、

車で休む事にしました。

時間を見計らって消化器科へ行き、ようやく順番が回ってきました。

いつものように軽く挨拶をし、診察に入ります。

主治医から変わった事はなかったか聞かれた旦那は

「痛みはあるけど、薬で抑えられてると思います。ただ、最近

ちょっとだるい感じが続いてます。」

「そうですか・・・今日の血液検査の結果ですが、白血球がものすごく

減っているので今日の治療は延期になります。

白血球が減っているので、貧血を起こして体がだるかったり、

ふらつきが出たりしている状態です。今日は白血球を増やす

注射をして帰ってもらって、次回に備えましょう。」

 

やっぱり・・・今度はそうきたか!白血球減少による貧血状態。

だから体はだるいし、微熱やふらつきなどの症状がでていた

のです。診察が終わり処置室でフィルグラスチムを筋肉注射

で打ってもらいました。処置室から出て旦那が

「先生も白血球を増やせる注射があるんならもっと早く打って

くれればいいのにな」

 

そう言って少し悔しそうな顔をしていました。白血球を増やす

注射がある事さえ知らなかった私は、家に帰りまたネットで

調べてみた事を旦那に伝えました。

前回スキップした時の白血球数は注射を使う事ができない範囲

で、今回は使える範囲の数値だったようで、先生もちゃんと

考えてくれている事を旦那に話し、減少しているからといって

闇雲に使えるものではないという事を旦那も私も初めて

知りました。

パクさん、サイさんの投与を始めて2か月半が過ぎ、

アレルギー反応と闘いながらなんとか3クール目までこぎつけて、

薬の効果がよい結果をもたらし、日々の生活にも活力が生まれて

半年先の事を話したりする程、気持ちの余裕にまで結びついて

きましたが、2度目のスキップ。初回よりもかなり減少してしまった

白血球を今回は注射で復活させ、次回の治療に繋がるように

祈る気持ちでいました。

 

しかし、この週の後半から食べる量はさほど増えてはいないのに

体重が少しずつ増えだし、体調の悪さを訴える事が多くなって

いきました。

 

治療は生きていく為に、積極的にしてきました。例え余命が

告知されていようと今、生きている事がすべてです。

旦那自身もいつかやってくるその日をおぼろげに考えては

いたようです。体調の悪さはありますが、今すぐどうこうという

ことではないので、実感などはもちろんないし、

どちらかというとのんびり毎日を過ごしていたのかもしれません。

なので、生きているうちにやっておかなければならない事が

山のようにあったのですが、ここまで手付かずできてしまいました。

後々、亡くなってからこの事が尾を引くことになるのですが・・・

 

翌週6月8日の診察まで、フィルグラスチムの力を借りて白血球

が増えて治療ができるようになっていてくれたらいいのですが、

トレーラー復帰を果たした旦那は、仕事に没頭し体調の悪さなど

どこ吹く風。仕事をしている時は痛みも忘れられるようでした。