疋野神社
熊本県玉名市立願寺460
故、其大年神、娶神活須毘神之女、伊怒比売、生子、大国御魂神。次韓神。次曽富理神。次白日神。次聖神。(五柱)
又娶香用比売、生子、大香山戸臣神。次御年神。(二柱)
又娶天知迦流美豆比売、生子、奥津日子神。次奥津比売命、亦名、大戸比売神。此者諸人以拝竈神者也。
次大山咋神、亦名、山末之大主神。此神者、坐近淡海国之日枝山、亦坐葛野之松尾、用鳴鏑神者也。
次庭津日神。次阿須波神。次波比岐神。次香山戸臣神。次羽山戸神。次庭高津日神。次大土神、亦名、土之御祖神。(九柱)
上件大年神之子、自大国御魂神以下、大土神以前、并十六神。
(古事記より)
「疋野神社の御創建」は不詳な程古いですが、神社伝承では約2000年前の景行天皇御巡幸の折りに重く祀られたと伝えられ、小岱山の中腹には現在の御社殿建立以前の磐座跡と推定される処が存在しています。
(中略)
景行18年(西暦88年頃)
(疋野神社HPより)
さて。この神社には、長者伝説が伝わっている。
疋野長者伝説
千古の昔、都に美しい姫君がおられました。
「肥後国定野の里に住む炭焼小五郎という若者と夫婦になるように」との夢を度々みられた姫君は、供を従えはるばると小岱山の麓の疋野の里へやってこられました。
小五郎は驚き、貧しさ故に食べる物もないと断りましたが、姫君はお告けだからぜひ妻にと申され、また金貨を渡し米を買ってきて欲しと頼まれました。しかたなく出かけた小五郎は、途中飛んできた自さぎに金貨を投げつけました。
傷を負った白さぎは、湯煙立ち上る谷向へ落ちて行きましたが、暫くすると元気になって飛びたって行きました。
米を買わずに引き返した小五郎に姫君は「あれは大切なお金というもので何でも買うことができましたのに」と残念がられました。
「あのようなものは、この山の中に沢山あります」との返事に、よく見るとあちこち沢山の金塊が埋もれていました。
こうして、めでたく姫君と夫婦になった小五郎は、疋野長者と呼ばれて大変栄えて幸福に暮らしました。この疋野長者の御神陵には、全銀財宝が進められているとも伝えられ、また毎年四月には長者祭りが行われています。
白さぎが元気になったいで湯は、現在では玉名温泉として栄え、また疋野神社は長者ゆかりのお宮として多くの御参拝をいただいています。
(境内案内板より)
長者の泉。
水が湧いている神社ってしばしばあるけれど、温かいお湯が御神水ってのは珍しい。