小正西古墳公園
福岡県飯塚市小正 780-2
古墳時代後期(6世紀後半)に作られたと考えられる小正西古墳。直径約30m・高さ約5.5m。
地表から約2mの位置に平坦部(テラス)のある2段築成の円墳です。
平坦部は古墳を全周しないで約1/4が残り、円筒埴輪が密な状態で立てられていました。
また平坦部より上の斜面には葺石が施されていました。
墳丘の周辺には周溝が掘られ、 東側で全体の約1/2 が確認されました。
浅く狭いものでしたが大量の埴輪片が出土し、 一部では人物、 馬形、家形などの形象埴輪が集中する箇所もありました。
代表的な埴輪がこちら、巫女型埴輪。
本物は、福岡市歴史資料館に展示してあります。
平成8〜9年、この辺りに住宅地を作る為に発掘調査が行われました。
現地のガイドさん曰く、古墳があるのは事前に分かっていたから、調査をした後に潰してしまう予定だったそうな。
けれど調査した結果、1墳丘に2基の横穴式石室を構築している等、全国的にも珍しく、考古学上においても学術的価値が非常に高い古墳であることが明らかになった為、残すことに。
平成11年に福岡県指定史跡として認められ、古墳の保存を図るために復元を行い、学習の場としても 活用できるよう古墳公園として整備を行いました。
こちらは1号石室入り口。
一旦上がって下がって横、な構造となっているのは、竪穴式の名残りではないかとのこと。
これは、公開日ではない時の様子。
居合わせた人含め計5人、立って居ることが充分出来る広さ。
最奥の石はおそらく、元は一つの石が割れたもの。
ベンガラで赤く塗られています。
周りの石は修復時に新しく追加している石も。
色が赤いものは作られた当初のもの。
盗掘のため一部破壊されていたそうな。
骨は見付かっていません。
主だった副葬品は盗まれていただろうけれど、それでも、鉄刀や勾玉等が出土しています。
こちらは2号石室。1号石室とは直角の位置。
1墳に2基の横穴式石室がある例って珍しいから、存在に気付かれず、盗掘を免れたのでしょう。
ガイドさん曰く、発掘当時は石室入り口に大きな木があり、取り除くのに2ヶ月だったかな?かなり苦労したそうな。
(遺跡を壊さないようちょっとずつ作業を進めるのだけど、木から出る成分のせいで体調不良を引き起こしたりとか。)
入り口が狭く、中が少し広がった羽子板状の石室。
1号石室に比べて狭いけど、人骨が4体分発見されています。
奥に1体あったので、これが最初。
他3体は順不明だけど、最初の1体より後に追葬されたと考えられるそうな。
敷地内にある良い感じの遊具。
遊具越しの古墳。
遊具の上から見た古墳。
ガイドさん曰く、発掘以前は古墳の上に祠があったそうな。
それがどれかは聞き忘れた😅
けど、すぐ近くに文珠菩薩堂があったから、これがその名残りなのかも。違うかも。
文殊菩薩。