春待ちの桜の夢の尾となりて -2ページ目

春待ちの桜の夢の尾となりて

いつか来るはずの春を夢見て、明日を信じて。。。進んでいこう。
大丈夫。。。明けない夜はないのだから。
たとえ今は、明日の光すら探せなくても。。。
まずは一歩、踏み出そう。みんな一緒だ。そして、みんな。。。勇者だ。

もしも、願いが叶うなら

まほうつかいになりたいなっ

そしたらたちまち、旦那様の病気だって

治して見せるのに

もしも祈りが届くなら

魔法使いにならせてよ

そしたら毎日、こんな悲しい涙を

流さないで済むんでしょ

こんな恐ろしい朝を

むかえなくてもいいんでしょ

一人でなんて生きられないよ

生きる理由だってない

 

もしも生まれ変われるのなら

まほうつかいにしてほしい

そしたらたちまち旦那様を

救って見せるから

魔法を使って

使えるようになりたくて

まいにちまいにち

ちちんぷいぷい

魔法の呪文を探してる

それくらいしかできなくて

だって私は残念ながら

ただの人

何の魔法も使えない

人っていう役立たず

何が何でも守りたい

命一つも救えないなら

影も形もなくなりたい

私のほうが一秒でも先に

 

 

今日、旦那様が退院してきた

体調はとても悪そう

抗がん剤の副作用もあるし

息切れしてるし

おなか壊してるし

物も食べられない

再就職先もダメそう

こんな状況ではしかたない

 

本人はめげている

また、もう化学療法はやらないと言い始めた

 

苦しそうな旦那様を見ていると

いったいこの人が何をしたっていうんだ!!!

と叫びたくなる

一生懸命働いて

自分の店を持って

それを守って

ずっと頑張ってきただけじゃないか?

 

それにたいして

神様はひどい仕打ちをするもんだと

つくづく思う

 

大切なものから奪っていく

 

私も奪われなきゃならないの?

冗談じゃない

それは許せない

何が何でも嫌だ

 

明日も暑そうだ

明日なんかこなきゃいいのに・・・

 

明日世界が終わればいいのに。。。

 

あぁ、それを言ったらだめだよね

わかってはいるけれど

未来が黒く染まった今

もう、世界なんてどうにでもなれと

思わずにはいられない

 

早く眠りたい

その間だけ忘れていられる

束の間。。。

そしてまた、最悪の朝がやってくる

現実が襲い掛かる

受け入れられないほど残酷な

こんなはずではなかったはずの明日に襲われる

 

 

 

今日は、丹沢まつりだった

毎年、旦那様と行っていた

今年は、彼は入院中なので

一人で行った

 

一人では楽しめないことを

改めて感じる

 

出会った知り合いの方たちは

皆優しくて

私を励ましてくれたけれど

それが余計に苦しかった

 

誰から見ても自分は不幸なのだと

思い知らされた日だった

 

私の願いはささやかだ

お金も確かに大切だけれど

何より彼に笑ってほしい

私より旦那様のほうが

ずっとずっと苦しくて不安で悲しい

それは当たり前のこと

それでもほんの一瞬でも

旦那様には心から笑ってほしい

うれしい気持ちを持ってほしい

そんな気持ちにさせてあげることができないでいる自分が

こんな状況を与えた神様の次に

嫌いだ

 

望んで望んで今日を迎えている

残酷すぎる現実に立ち向かえないまま

ただ。。。泣くばかり

 

旦那様は抗がん剤の副作用が

だんだん出てきていて

大変そうだ

食べれなくなって飲めなくなって

げっそりして入院したのに

今はたった4日で6キロも体重が増えて

さすがに浮腫だろうと

利尿剤がついかされたそう

 

そしたら今度は、30分ごとにトイレに行かなくてはならなくなった

これは結構大変で

たくさんぶら下がった点滴をさばきながら

ゆっくり休むのもむずかしくなったらしい

太りたかったけど。。。

かえって大変かも

 

私と言えばずっと心の深いところに

黒い染みがついているようで

何をしていても楽しめない

 

心から笑う。。。

 

そんなことができるようにこの人生で

出来るようになるとは思えない

 

だって。。。

なくせない人がいる

生きていくにはどうしても

必要な人がいる

 

どこまでもついてくよ

地獄の果てまでも。。。

覚悟しといてね

 

それが嫌なら

速く良くなってほしい

もう一度、心から笑える旅行に

連れて行ってほしいと思う

近くで構わない

豪華でなくてもいい

それさえもかなわないなら

私の命を旦那様にあげるから

 

これは神様。。。よろしく