スペイン語で「私の夢」を意味する「ミ スエーニョ」と名づけられた馬は2歳のときわずか4戦を走っただけで引退。

「私の夢」は娘に引き継がれた。

 

娘の名はスペイン語で「私の幸運」を意味する「ミ スエルテ」。

 

父は14戦14勝、どのレースのVTRを見ても「あまりの強さに笑うしかない」くらいの怪物フランケルで、ちなみにこのフランケルという馬名もオーナーが懇意にしていた亡き調教師の名前だそうだ。

競走馬はいろんな人の夢を受け継いで走る。

 

2016年9月24日、僕はPOG(ペーパーオーナーズゲーム)のドラフト指名馬でもある「ミ スエルテ」のデビュー戦となった阪神5Rを現地まで観戦に行った。

前日、大阪スポーツの本紙予想担当の松浪さんが、この阪神5Rの「本紙の狙い」に「ミ スエルテの今週の追い切りは、久々に“すごいものを見た”という感覚にさせられた。相手関係を問わずに◎に指名すべきレベルの馬。勝ち方が焦点だが、おそらくは圧勝だろう」と書いていて、「こんな予想初めて読んだ」と驚いたからだ。

 

松浪さんの予想のとおり、新馬戦は衝撃的だった。

鞍上の川田騎手は直線も手綱を持ったままの大楽勝。

続く「ファンタジーS」(GⅢ)も鮮やかな差し切り勝ちで、「怪物覚醒」を思わせたが、牝馬の2歳王者戦「阪神JF」(GⅠ)ではなく牡馬との混合戦「朝日杯FS」(GⅠ)に挑み4着に敗れて以降、成長が急に止まってしまうのだから競馬は分からない。

 

「桜花賞」(GⅠ)も11着、「NHKマイルC」(GⅠ)も7着に敗れ、「朝日杯FS」から数えると10連敗を喫して、5歳の春、2勝クラスの平場のレースで9着に敗れたのを最後に引退した。

 

父親がハーツクライに代わった半妹「ミ カリーニョ(私の恋人)」も2勝、父ディープインパクトの半妹「ミ ディオーサ(私の女神)」も2勝、父キングカメハメハの半妹「ミ アマンテ(私の恋人・カリーニョと同じ意味)」も2勝止まりで、つまりは「早熟の血筋」なのかと思ったのだが、2022年1月にデビューした父キンカメの半妹「ミ ファヴォリート(私のお気に入り)」が今年4月27日、新潟のメインレース「三条S」(3勝C)を勝って4勝目を挙げオープン入りを果たした。

 

そして今日、父親がドゥラメンテに代わった半妹「ミ アネーロ(私の憧れ)」が「オークス」(GⅠ)に挑む。

「早熟の血筋」のイメージが定着したからだろうか、POGのドラフト会議で誰も指名しそうになかったので、僕が19位で指名。

正直なところ「ミ スエルテ」のような期待感は抱いていなかったが、去年9月のデビュー戦を視て「もしかしてミ スエルテを超える大物かも」と思った。

 

最後の直線、内から追い上げた馬に驚いたのか外側に大きく斜行。

外から追い込んできていたマーシャルポイントと接触して進路を妨害し、1着でゴールしたものの審議の対象となった。

結局、降着にはならなかったのだけれど、父ドゥラメンテも「皐月賞」(GⅠ)の4角で大きく斜行して3頭の馬に迷惑をかけながらも差し切り勝ち。

同じようなスケールの大きさを感じさせてくれた。

 

が、デビュー戦は「2着降着で良かったのに」と思う。

2着であれば10月か11月に未勝利戦を使い、暮れか年明けの重賞戦線へ、と予定が立つが、1着になったことで迷惑をかけたマーシャルポイント陣営の動向を気にしないわけにはいかなくなった。

 

マーシャルポイントは11月下旬に未勝利戦を快勝。

これには「ミ アネーロ」陣営もホッとしたことだろう。

そこから来春のクラシックに向けて予定を組んだからだろう、2走目は年明け、2024年1月13日の「菜の花賞」(3歳1勝C)になった。

デビュー戦から4か月も間が空いてしまったのは林調教師にとっても誤算だったのではないか。

 

しかも「菜の花賞」では直線でルメール騎手が立ち上がるほどの大きな不利を受けて5着に敗れ、結果的に桜花賞も断念することに。

でも、これはかえって良かったと思う。

オークスの出走をめざした「フラワーC」(GⅢ)で心身ともに成長した姿をみせてくれたからだ。

ゆったりとしたローテーションで、オークス制覇に向けて黙々とトレーニングを積むことができたのも、「桜花賞」組に比べるとプラスなのではないだろうか。

 

何しろ、東京の芝2400m戦にはめっぽう強いドゥラメンテ産駒。

それに加えて、今日の東京10Rはドゥラメンテの祖母の名を冠した「エアグルーヴC」だ。

戴冠の舞台は整っている。

そして、穴党にとって嬉しいのが、現在、9番人気という人気のなさだ。

不利がなければ「菜の花賞」も勝っていたはずで、もし3連勝していたらこんなオッズでは買えなかっただろう。

 

「これはもうミ アネーロを買うしかない」と思って「オークス」を予想してみたら、僕のオリジナルの指数「夢の風指数」は驚きの結果になった。

 

東京11R「オークス」GⅠ・2400m芝

◎ミアネーロ(79)○タガノエルビーダ(71)▲ライトバック(68)☆アドマイヤベル(65)壱△ステレンボッシュ(64)弐△チェルヴィニア(64)参△クイーンズウォーク(63)四△ラヴァンダ(57)

夢の風係数 45+24+9+16+1+2+5+12=「114」

 

ミアネーロが指数差「8」で抜けた。

波乱含みかどうかを判別する数値「夢の風係数」も「114」と高い。

ここは迷わず「私の憧れ」を軸に3連単マルチで勝負することにした。

エアグルーヴから引き継いだ父ドゥラメンテの怪物の血が、「オークス」という晴れ舞台で覚醒するのを見たいと、大いに期待している。

 

【本日の夢の風予想】

 

いつものように予想したレースの指数と印もデータとして載せておく。

 

東京6R1勝C・1600mダ

◎トレチーメ(19)○ベネロングポイント(17)▲オーサムデアラー(15)☆イエヴァンポルッカ(13)壱△ホワイトクロウ(13)弐△フクノブルジュ(11)参△カムランベイ(10)四△ヤングローゼス(7)

 

新潟7R1勝C・1200mダ

◎リリージェーン(16)○ルワンジュ(9)▲クイーンアポーン(8)☆スーパーリベロ(8)壱△メージャーテソーロ(7)弐△イロハニオエ(6)参△オリビアジュテーム(6)四△カネトシディーバ(5)

 

新潟8R1勝C・1400m芝

◎アパショナード(23)○サトノヴィレ(20)▲アンタノバラード(19)☆ソレントフレイバー(19)壱△テンプーシャオン(19)弐△マイレーヌ(19)参△シルヴァーデューク(18)四△キトゥンズマーチ(14)

 

京都8R1勝C・1600m芝

◎コントディヴェール(27)○サクセスアイ(26)▲オーシャントライブ(23)☆エーデルサンライズ(19)壱△プリンスノット(19)弐△カフジキアッキエレ(15)参△ポルトドール(14)四△ジオパーククラウン(12)

 

京都9R「愛宕特別」2勝C・1800mダ

◎コンティノアール(16)○ジーニアスバローズ(13)▲パーサヴィアランス(13)☆ティルドーン(12)壱△メジェド(12)弐△プレッジ(11)参△サンマルパトロール(10)四△ヒロノオオゾラ(10)

 

新潟10R「火打山特別」2勝C・1200mダ

◎エランティス(27)○プリティインピンク(24)▲シュバルツガイスト(19)☆パスカリ(19)壱△トモジャミ(17)弐△ヒルノピレネー(17)参△シラキヌ(16)四△タッカーシルバー(16)

 

東京10R「エアグルーヴC」3勝C・2100mダ

◎ルクスフロンティア(29)○ネッケツシャチョウ(28)▲ホウオウバリスタ(28)☆ダノンブレット(26)壱△カレンアルカンタラ(25)弐△ヴァンドゥラン(16)参△クインズミモザ(16)四△プメハナ(16)

 

新潟11R「韋駄天S」OP・1000m芝

◎ブーケファロス(32)○リバーラ(25)▲ロードベイリーフ(25)☆ジャスパージャック(24)壱△スリーパーダ(22)弐△カイザーメランジェ(19)参△マイヨアポア(19)四△ディヴィナシオン(18)

 

京都11R「高瀬川S」3勝C・1400mダ

◎ケイアイアニラ(30)○スマートラプター(30)▲インヒズアイズ(29)☆エルゲルージ(26)壱△アウグスト(25)弐△カセノミオ(24)参△フラップシグナス(24)四△エピックジョイ(21)

 

新潟12R1勝C・1800mダ

◎メイショウマジック(13)○オーディブルコール(11)▲モズミツボシ(11)☆ナムラテディー(6)壱△フェザーモチーフ(6)弐△ワンダフルヘヴン(6)参△マウンテンエース(5)四△インオービット(4)

 

京都12R1勝C・1200mダ

◎ザウリ(18)○メイショウタイゲイ(14)▲ゴイゴイスー(13)☆スモーキンビリー(13)壱△ゴールドレコーダー(10)弐△スターペスカオリ(9)参△ワンダーヘイルネス(9)四△パレフォーコン(8)

 

東京12R「三峰山特別」2勝C・1600mダ

◎マウントベル(29)○ギョウネン(26)▲ファミリークレスト(21)☆カプラローラ(20)壱△レディアス(18)弐△リンクスルーファス(16)参△アーレンダール(15)四△ジューンポンポン(15)