高知駅到着の車内放送を耳にする前にワタシは座席を立って進行方向右側の扉の前にいた、そして列車がホームに滑り込み停まるまで「階段」がどの位置にあるのか目を凝らしてみていた。
列車が停車し一呼吸おいて扉が開くと右側にある階段に向かって小走りに進み、トントントントントンっという一定のリズムで足を踏み出し「身体」を階段と平行に滑り落としていった。
階段を降りきっても腕時計を見る余裕はなく、また小走りで高速バスのターミナルに向かいカウンターの前に立ち受付の女性に向かって「9時発の松山行のバス」と言った。受付の女性が特に慌てるような表情を見せることはなかったので、一息ついて「予約番号、052287211」と「名前、池乃 日記」を告げてポケットに用意しておいた五千円札を出した。
前回の遍路で帰る時一度利用しているのでバスの乗り場は既に知っている、彼女が「〇番乗り場からお乗りください」と言っているのを上の空で聞き流し、チケットを受け取り発券所を出た。
眼の先には青い色のJRバスがあった、その傍に運転手が外に出て出発のタイミングを計ってるように立っていた。ワタシが近づきチケットを差し出しながら「松山インター口」と云うと、「前のバスです」と言われてしまった、汗。(前はココで乗ったのにと思いながらも言われたように向かった)
バスの座席は程々埋まっていたが、一人客が二人席を独占できる程度の混み具合だった。ワタシが乗りこんで暫らくしたらバスは発車した。
当初は須崎から土佐久礼(とさくれ)まで歩いてからJR土讃線で高知まで戻り「13:20」の高速バスに乗る予定だったが、歩きたかった山道の遍路道が通行止めと云うことで急きょ安和駅からJRに乗って帰ってきたわけだがこのバスに乗れてラッキーだ!午前中に「家」に戻れるのと午後になるのとでは気分的にだいぶん違う。
今回で10回目の高速バスの乗車だが今まで一回も車内の「トイレ」を利用したことがなかった。この日はビジネスホテルを出てから途中の山道で古いドライブインの駐車場のトイレを借りただけで、それ以降尿意を感じなかったのでそのままコノ高速バスに乗り込んだ。(まぁ、トイレに行きたくともそんな時間的な余裕はなかったが)
バスは高知駅前を出て予約なしでの乗客が多い「はりまや橋」のバス停を過ぎ、次のバス乗り場も通過して高速道路を走行しだした。
このあたりから「遍路」の気持ちも薄れ、あとは帰るだけ!と気分が弛緩したからか?不意に尿意を感じた。走り出してから寝ている人もいたりして乗客の動きはない、今だ!という気持ちで席を立つ。(どんな決心や、笑)
新幹線や飛行機のトイレのようなイメージを持っていたが意外に広く(バスの横幅一杯のワンルームになっていた)中は薄暗くて高級なクラブ(行ったことないが)のような感じで、揺れるが女性ならここで化粧直しとか落とすことも可能なスペースと雰囲気に驚いた。
今回の区切り遍路も幸いなことに晴れた日が続きラッキーだった。出発前は雨の予報が続くようなら次回は夏以降か台風シーズン前にと考えていたが、出られてよかった。
次回は足摺岬の突先にある38番金剛福寺(こんごうふくじ)までの長い道のりの往復をどう攻略(遍路宿の選択)するのか?また幾多の「遍路ブログ」をチェックして計画したい。真夏は避けたいし、台風が来る時期は危ない!涼しくなって遍路シーズンに入り相部屋の可能性の高い時期も嫌だ・・、じゃ~、いつ行くのか?今でしょ!はもう古い、笑。
たかだか三泊四日の遍路の旅を長々と20回にわたり書いてしまいましたが、拙い(回りくどい)文章にお付き合い下さりありがとうございました。これからしばらくは、また平々凡々なつまらないブログに戻ってしまいますが愛想をつかさないようこれからもご愛読お願いします。 m(_ _)m ← 古っ!