ミユキはとある大学で事務の仕事をしていた。そこで偶然ぼくの文章が掲載されている受験雑誌を目にしたという。
それを読んだとき、物語自体が創作だと思ったようだ。が、同時に真実味も感じた。
「じゃあ一回会いに行って、直接確かめてみよう」
ミユキは思い、ぼくに連絡を取ってきた。今回の出発前、ぼくがまだ日本にいる間の話になる。
三宮のカフェで会うことになった。モニカも同席した。
写真や地図を見せながらミユキにドルフィン・センターの現状を説明した。話すうちにミユキの瞳がキラキラと輝いていくのが分かった。
「なにか私にもお手伝いできることはありませんか」
ぼくが話し終わるや否やミユキは言い出した。
こうなるとぼくはいつも困った。くり返すようだが、ドルフィン・センターはまだその段階に来ていなかったからだ。
正直にそのことを伝えると、ミユキは、では実際に行って現地を自分の目で確かめてみますと答えた。ちょうどタイミングが合ったので、ミユキはタカとケンと一緒に旅をする運びとなった。
その三人がアダコアに到着した。
ミユキもスタッフになることを希望していた(マライタ州アダコア 2000年)