「早くせんかい! グズグズするな、この馬鹿もんが! えっ、どうするんだ!?」
ゲームが始まるや否や、ぼくは社長に罵倒された。
これまでに見たこともない怖ろしい表情に訳が分からなくなった。のみならず、他の社員たちもみな必死の形相を浮かべ、あたりに殺気だった空気が充満した。
一回のゲーム時間は決まっていた。ゲームは八名で行われた。自分の順番が回ってくるたびに意思決定権が与えられた。
各自、決定が早ければ早いほどゲームの回転も早い。それだけ順番が多く回ってきて、儲けるチャンスもある。
だからぼくは、早くせんかいと怒鳴られたのだ。
この“遊び”は三回続いた。一回終了するごとに成績表が張り出された。
全社員の順位が明らかになった。
おいちゃんによればぼくには商売の才能があるという。当然ながらぼくは優秀な成績を収めるはずだった。