前回書いた、Welcome、誕生の続きです。

 

 

 

 

 

中島みゆき「誕生」

 

ひとりでも私は 生きられるけど
でもだれかとならば 人生ははるかに違う
強気で強気で生きてる人ほど

些細な寂しさでつまずくものよ

呼んでも 呼んでも とどかぬ恋でも
むなしい恋なんて ある筈がないと言ってよ
待っても 待っても 戻らぬ恋でも
無駄な月日なんてないと言ってよ

めぐり来る季節をかぞえながら

めぐり逢う命をかぞえながら
畏れながら憎みながら いつか愛を知ってゆく
泣きながら 生まれる子供のように
もいちど生きるため 泣いて来たのね

Remember

生まれた時だれでも言われた筈
耳をすまして思い出して最初に聞いた

Welcome

Remember 生まれたこと
Remember 出逢ったこと
Remember 一緒に生きてたこと
そして覚えていること


ふりかえるひまもなく時は流れて
帰りたい場所がまたひとつずつ消えてゆく
すがりたいだれかを失うたびに
だれかを守りたい私になるの

わかれゆく季節をかぞえながら
わかれゆく命をかぞえながら
祈りながら嘆きながら

とうに愛を知っている
忘れない言葉はだれでもひとつ
たとえサヨナラでも 愛してる意味

Remember

生まれた時だれでも言われた筈
耳をすまして思い出して最初に聞いた

Welcome


Remember

けれどもしも思い出せないなら
わたしいつでもあなたに言う

生まれてくれて

Welcome

Remember 生まれたこと
Remember 出逢ったこと
Remember 一緒に生きてたこと
そして覚えていること

 

前回、次の歌詞で

泣きながら 生まれる子供のように
もいちど生きるため 泣いて来たのね

これは輪廻転生について、語っていますよね。

と書きました。

 

そして、何を思い出すのかと言えば、

 

それは、生まれる前の「意図」なのです。

人生の目的なのです。

その目的をかなえるために、泣いて生まれてきたのだということを思い出す必要があるのです。

 

と書きました。

 

その前世からのカルマを、ここでは「思い出せよ」と歌っているのです。

その思い出すことの一つ一つが、次のように語られています。

 

Remember 生まれたこと
Remember 出逢ったこと
Remember 一緒に生きてたこと
そして覚えていること

 

前世に生まれたことを思い出せ、

前世で出会ったことを思い出せ

前世で一緒に生きてたことを思い出せ

そして、その覚えていることが、今世のカルマなのだ、と。

 

ふりかえるひまもなく時は流れて
帰りたい場所がまたひとつずつ消えてゆく
すがりたいだれかを失うたびに
だれかを守りたい私になるの

わかれゆく季節をかぞえながら
わかれゆく命をかぞえながら
祈りながら嘆きながら

とうに愛を知っている
忘れない言葉はだれでもひとつ
たとえサヨナラでも 愛してる意味

 

人生のあわただしさに、心を忘れ、

ふりかえるひもなく、時は流れていきます。

しかし、そうであっても、人生を生き、すがりたい人を失い、別れを味わっても、

守りたい私へと成長していく、

サヨナラでさえ、愛であることを知っていく。

それが魂の成長であり、今世体験し、生きた意味なのです。

 

失敗が失敗ではなく、

幸せにならなかったことが心配でもなく、

失敗や喪失の末、たどり着く、精神的成長こそが、人生の目的なのです。

祈りながら嘆きながら

とうに愛を知っている

この「祈り」とは、自分が幸せになるための「おねだり」ではありません。

他力本願で祈るのではありません。

ここでの祈りとは「なげき」と同質のものなのです。

人を失う悲しみを嘆き、去って行く魂に祈るのです。

愛のために、なげき、祈るのです。

なげき、祈ることのできる愛に成長したのです。

 

たとえサヨナラでも 愛してる意味

 

ここに祈りの本質があるのです。