バラの成長と衰微からはじまった植物シリーズ。

それは「いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか」の準備の段階としてのステップです。

 

いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか」より

 

P51

準備の段階では感情と思考とがまったく特別の仕方で育成される。

この育成を通して、魂体と霊体とに高次の感覚機能や活動器官が与えられる。

それは大自然の力が不特定の有機物質から成る肉体に特定の諸器官を付与してきたことの継続であるともいえる。

 

まずはじめに、われわれを取り巻く世界の中の特定の事象に注意力を集中させることが必要である。

そのような事象とは

植物の発生、成長、繁栄する相であり。

衰微、凋落、死滅する相である。

 

生命活動の存する限り、いたるところにこのような両様の事象が併存している。

そしてそれらはあらゆる機会に人間の感情と思考を促すきっかけをなしている。

 

準備段階に必要なのは、人がまったく意識的にこの二つの生命の相に注意力を集中することなのである。

ある植物の成長と開花に目を向ける場合、彼は他の一切の事柄を自分の魂から排除し、短時間の間、まったくこのことだけから受ける印象に没頭しなければならない。

 

以前ならこのような場合に魂をかすめ通るだけで終わったであろうような感情が、やがて彼の内部でふくらみ始め、力強い形式をとるようになる。

 

内部におけるこの変化に気づいたなら、この感情形式の余韻を、心を鎮めて、内部に響かせねばならない。

その際、心の中はまったく静かでなければならない。

自分を他の外部の印象から閉ざし、まったくひとりになって、成長し開花する事実に対して、自分の魂が語るものに従わねばならない。

 

はじめはできるだけ、熱心に外なる事物を観察すべきである。

そしてそのあとではじめて、魂の中に立ち現れる感情と思考に没頭する。

大切なのは完全なる内的平静を保ちながら、感情と思考の両方に注意力を集中することである。

 

心を平静に保ちながら、内部に立ち現れてくるものに沈潜する行を続け、特定の時点に至るなら、これまで知ることのなかった種類の新しい感情と思考が内部に立ち現れてくるのを体験するであろう。

 

このような仕方で成長し開花するものと、衰微し死滅するものとに対して、交互に集中力を向けるなら、回を重ねるにしたがってそのような感情が一掃生きいきとしてくるであろう。

こうして生じた感情と思考から、見霊器官が形成されてくる—ちょうど自然力を通して有機的素材から眼や耳という感覚器官が形成されるように、まったく独自の感情形式が成長と生成にむすびついており、それとは別のまったく独自の感情形式が衰微と死滅にむすびついている。

しかしこの両感情形式はここに記された仕方で育成されぬ限り、生じることはない。

私たちは植物を単に物的な植物としてしか見ていないかもしれません。

しかし、私たちの地球は宇宙のなかで閉ざされた空間ではありません。

宇宙の必然性が、地球を生み出し、生物を生み出したはずです。

ですからこの地球で起こっていることはすべて、宇宙との関連からとらえる必要があるのです。地球だけの視点で考えることは「井の中の蛙」と同じです。

 

 

植物の見方


植物の全体を考察してください。
その形態は惑星から得ています。
そして惑星の運行によって成長し、
大地の働きで代謝機能を維持するのです。

 

植物:形態は恒星界
   成長は諸惑星
   代謝は大地

動物:形態は黄道獣帯 
   成長は諸惑星
   代謝は大地

人間;携帯は天球層
   成長は諸惑星
   代謝は大地

 

 

植物とアストラル界

 

植物の在り方を考えてみましょう。

これが地球の表面です。

植物は地表から上へ伸びていきます。

ここに植物の物質組織があり、エーテル体(形成力の体)に浸透されています。

しかしその植物が、もしも宇宙からのアストラル的な作用を受けなかったとしたら、

そもそも成長できなかったでしょう。

植物はアストラル体をもっていませんが、アストラル的な作用を受けているのです。

 

大地のリズム

 

ですから人間は、大気を呼吸し、受胎に際しては、

宇宙の生命を移し込まれるのです。

一方、植物は光に誘われて、大地の重力を克服します。

そして光を求め、受精を願って成長し続けるのです。

それと同じ過程を、大地が壮大な規模で辿ります。

水が霧となって立ち昇り、上空で宇宙の生命を受けとるのです。

雷鳴がとどろき、稲妻が走るのは、その生命化の過程のひとつなのです。

 

 

 

太古の自然感情

 

太古の人間は植物界を自分の一部だと思い、

地球を深く愛していました。

地球は人間の一部である植物を受けとめ、自分の中に根づかせ、

自分の成分から樹皮を作り、樹木を覆ってくれたのです。

古代人は物質的環境のいたるところで、道徳と結びついた評価を行いました。

牧場の植物を前にしたときは、自然の成長する姿を感じただけではなく、

人間の成長力との道徳的な関係を感じとっていたのです。

 

植物は地球に向かって根を伸ばし、

地球の重力に逆らって、宇宙に向かって、成長し、花咲かせます。

 

植物:形態は恒星界
   成長は諸惑星
   代謝は大地