或時或処のおはなし。
東北といっても、ここ太平洋側の宮城県平野部はさほど雪は多くない。 シベリアからの雪雲は奥羽山脈に遮られて日本海側に多くの雪を落としていくからです。 雪を落とし終わった冷たい空気が吹き降ろしてくるので寒いは寒いのですが、普段は西側に比べて遥かに降雪量は少ないことになります。
この太平洋側にも2月下旬から3月中旬頃には数度ドカ雪に見舞われることになります。 乾いていた道路がそれこそあっという間に真っ白に変わり、高速道は通行止め、通勤の足は大混乱。 丘の中腹にある我が家にはタクシーが上ってくれなくなってしまいます。
この時節の雪はやたらと水分が多いようでベトベトグチャグチャしていて、髪や服についてもなかなか落ちません。 そのまま溶けてずぶぬれになってしまう意地悪な雪です。うっかりするとすぐ風邪を引き込んでしまうので要注意ですし、雪掻きの重いこと重いこと。 ぎっくり腰には要注意ですね。
でも、このベチャベチャ雪は長かった冬ももうすぐ終わりですよ、という標しでもあります。 冬真っ盛りの時は、根性が入っていて地面に落ちてもそう簡単に溶けて堪るかと頑張っていた雪達も、比較的あっさり成仏してくれるようになります。 そして、もう少し根雪が少なくなってきたら道端のあちこちに蕗の薹が残雪を割って淡い緑色の芽を覗かせるようになってきます。 否が応でも春の近さを教えてくれるんです。味噌汁にすると一寸苦味がありますが、これは好き嫌いかな。
今年もようやく件のドカ雪ベチャベチャ雪が仙台を覆いました。 春告雪。 あともう少しで春の訪れです。 隣家のネコヤナギにも柔らかな綿芽がつき始めました。 幼稚園の頃の娘がネコヤナギの芽を貰ってきて、ずっと擦っていたことを思い出します。
「何してるの?」
「このね。ネコヤナギのやわらかいのをね、こうやって千回こすったらニャーと啼くんだよ。」
当時は百までしか数えれなかった娘が一生懸命擦っていましたっけ。
仙台は今日も雪ですが、こいつもやはり春告雪。 そろりそろりですが、季節は確実に回っているようです。
怱々