道北•宗谷から十勝•大樹町へ北海道縦断

流石に一日では無理があるので、予定を変えて美瑛で一泊することにした。

 

 

 富良野や美瑛が、北海道の代表的な観光地となったのは意外と新しい。

 ラベンダー畑に始まってTVドラマ『北の国から』で全国区になった富良野に対して、一面「畑しかない」風景を北海道の美として世界に紹介したのは、東京都八王子の写真家•前田真三だった。

 一面の畑に北海道らしさを求めて全国から観光客や写真家が集まり始めたのは1980年になってからだ。

 

 

 美瑛にあるのは見渡す限りの畑(写真は蕎麦の花)だけだが、どこを歩いても同じ風景はなく、その時の雲や太陽の位置によっても壮大な絵巻風景を見るようだ。前田真三が後に静止画から動画制作に転換した大きな理由もここにあった。

 

 美瑛といえば今や誰でも「青い池」に行くが、こちらは絵はがき的風景。

 車で20分行かないと店もない。お盆休みでも遠くにトラクターが動き、北海道農村の日常風景がある。

 ペンションや宿はたくさんあるが、広大な畑の中で時間と風景の変化を静かに感じる。何度来ても何日泊まっても私は退屈しない。

 人の営みである田畑が芸術となる‥ 

 役所の発想からは思いもよらない事だろう。

 

 #北海道 #美瑛

 #HOKKAIDO    #biei

    #カレーうどんだけじゃない

 ちいさな宿のちいさなおばちゃんの話

 北海道 美瑛 P給食室

 

 美瑛の畑の中にある絵本のおうちみたいな小さな宿。

 

 

 オーナーは、これまた絵本に出てくるようなかわいいおばあちゃん。永く勤めた給食のおばちゃんは退職後にペンションを始め、もう17年になる。だから、仕事服は給食室。

 実家は三重県鈴鹿にあり、グリーンシーズンのみ宿をやるそうだ。

 夕食は、夏野菜料理とマグロの串揚げ。

 鈴鹿•まこと食堂の人気商品直送だそうだ。

  まこと食堂

https://tabelog.com/mie/A2402/A240202/24005121/dtlrvwlst/B489486248/

 

 食事も美味しいし、小さなおばちゃんのもてなしが最高。とても居心地が良い美瑛らしい宿だった。

 いぬいとみこ•津田櫓冬『ちいさなちいさな駅長さんの話』を思い出した。

 

 #北海道 #美瑛 #ペンション給食室

五輪期間中に金を獲る その2

 

 北海道宗谷 浜頓別 ウソタンナイ川砂金公園

 2002年 アジアでは初の砂金掘り世界大会がここ浜頓別クッシャロ湖湖畔で開催された。優勝は日本人女性•小松美鈴さん(山梨県湯乃奥金山博物館学芸員)。桐朋高校地学部を強豪校に育てた外部コーチでもある。

 https://www.town.minobu.lg.jp/kinzan/koho/hakubutukan_no22.pdf

 

 ここではゴールドパン(皿)は使わせず、日本古来の「揺り板(ゆりいた)」で砂金採り体験を行う。ここも体験区画は四角状に掘り込んであり、インストラクター(ひとり500円)が熱心に指導してくれる。

 

 

 中頓別と同じく、とても整備された環境の中で誰でも本格的な砂金掘りが体験できる。違いは「揺り板」という文化継承に重きを置いている事だ。

 

 一緒にいた若いママは砂金を見つけ「スゴイ!スゴイ!」と何回も叫び、ママの興奮ぶりにパパが抱いていた末っ子の幼児が泣き出すほど‥。金の輝きは人を変える。🙄

 

 自分はと言うと、連日の活動で腰が悲鳴をあげているので、何粒かあげてギブアップ。やはりパン皿と違いリズム良くコツがいる。

 一方、妻はやや大粒の砂金をあげ満足げであった。

 

 「砂金甲子園があるんだったら北海道代表も出してやりたい」

地元のインストラクターの方が嘆く。もっともな事だ。浜頓別では世界大会開催以降、文化イベントしては考えず、あくまでも観光スポットとして細々と続けている。

 砂金採りはただのオタク趣味ではなく、文化継承、教育、地域活性の大きな鍵となる。佐渡の西三川が世界遺産となり、砂金甲子園も年々盛り上がっている。少子化を嘆くだけでなく、文化発信、交流としてどうか真剣に考えてほしい。

 

 ちなみに現在でも浜頓別、中頓別の小学校では校外学習で砂金採り体験を行っている。地元で育った人たちはみんな砂金掘りの経験者なのだ。

 

#砂金掘り #北海道 #浜頓別 #ウソタンナイ川砂金公園

 五輪期間中に金を獲る その1

 

 道北•中頓別、ペーチャン川砂金公園

 めちゃ楽しかった。アスリート、コンクール挑戦者のゲン担ぎにもピッタリ。ちょっと遠いけどね。

 

 昨年は雨が続き川に近づけなかったけれど、非常に整備された環境で子どもでも安全な環境でインストラクターの方が丁寧に指導してくれる。写真では分かりづらいが、すでに区画で表面は掘ってあり、深いところでも子どもの長靴で体験できる。(胴長の貸し出しもあり)

 

 

 

 私も妻も一発目のパンニングで小さいながら3粒ゲット。

 パンニングの度に3〜5粒の砂金(ほとんど粉金)が取れる。初めての人でもオケラはほとんどいないそうだ。

 

 インストラクターは世田谷と横浜からボランティアで来ている年配者。

 外国人の家族も片言英語で説明を受け、砂金を見つけるとハマっていた。

 自分は腰と眼の不具合を抱えているので、1時間ほどで欲張らずに退散。

 

 子どもも含めて自然と遊ぶとはこういうことだ。やっぱり究極のアクティブラーニングである。

 

 

 

北の最果て宗谷地域は、ある意味取り残された僻地だ。

 鉄道が廃線となり、路線バスもなくなり、車以外のアクセスは音威子府からのデマンドバス(予約乗合タクシー)しかない。稚内や利尻に直結する天塩•日本海ルートに比べ観光客は通りすがる。

 

 

 

 中頓別(なかとんべつ)は人口1600人程の小さな町で、クッチャロ湖のある浜頓別から下ると、どこが街の中心か気づかないで通り過ぎてしまう。

 宿も旅館は2軒だけなので、自炊の民泊を利用した。TVもなくまるで大草原の小さな家みたいだ。

 

 

 ところが、この小さな町には、洒落た飲食店がいくつかある。

 

 里芋と蜂蜜  お茶漬け喫茶 ランチはなかなか豪勢だ。

 

 ヤマフク   こだわりのパン、ピザ、パスタ。

        コーヒー豆はなんと自家焙煎だ。

        ふるさと納税の返礼品でもある。

 

 

 チーナドゥ  完全予約制の創作イタリアン

 

 ここは札幌か?と思わせる洒落た店。そして小さい子連れの若いママたちが気楽に立ち寄る。

 町の中だけでは客層が限られるので、隣の浜頓別も含めて十夢宗谷(トムソーヤ)地域で色々なコミュニケーションを結んでいる。

 砂金公園も含めて、民間が町を変えていく予感がある。

 何にもないけど、素敵な魅力がたっぷりある日本のド田舎だ。

 

 #中頓別 #北海道 #Nakatonbetu