シンガーや俳優たちは皆そうだと思いますが、私はエアコンがとても苦手です。
「冷え」や「乾燥」が声に悪影響を及ぼすからです。
でも今年7月に続いたほぼ毎晩の熱帯夜、
高い湿度にさすがに眠れなくて、
ある晩、タイマーもセットせずに、冷房をつけっぱなしで寝てしまいました。
その2日後くらいには、喉に違和感を覚え、少し咳も出始めました。
やってしまった
と思いましたが、風邪くらいなら自力で直して見せる
との思いで葛根湯やビタミンCなどを飲んで、
首周りを温めたり吸入をしたりして過ごしました。
でも改善するどころか、声はどんどん出なくなっていき、
7月21日の夜には、ほとんど発する事が出来なくなってしまったのです。
翌日さすがに病院へ行きました。
いつもとてもお世話になっている耳鼻咽喉科です。
かさかさ声で
「エアコンつけっぱなしで寝てしまいました。声が出ません
」
と告げました。
喉風邪、そして私の場合、シンガーで本番も控えているとあって、
早く炎症をおさえるために
ステロイド
抗生物質
消炎剤
去痰剤
咳を抑える漢方薬
等が処方され、
「出来るだけ声を使わないように」指示されました。
「沈黙」・・・・・喉を痛めた時はこれが一番の良薬です。
本来、一切歌わず、喋らず、筆談をするくらいの覚悟が必要です。
でも私は一か月後に生徒たち16名が出演する本番を控え、
プロデュース、指導、演出全てを一人でやっていたので、
完全に「沈黙」を守る事はどうしてもできませんでした。
毎週末の稽古、日々のレッスン、舞台制作の仕事をずっと続けました。
薬を飲み切った一週間後、症状は全く変わりませんでした。
相変わらずしゃがれ声です。
でもこの時、声帯にポリープも結節も出来てはいませんでした。
なのに何故声が出ないのでしょう？
本番を控えて声が出ないという事。
これは私たちが一番恐れている事です。
本番に向けてどれだけの時間を積み重ね、
どれだけの思いで臨み、
その日を大切に思っていることか・・・。
ちょっと声の調子が悪くなっただけで、
激しく動揺します。
心身が焦り始めました。
何故治らないの？
この時自覚し始めたのは、これはただの「風邪」ではないという事。
自分の喉に何か異変が起きているという事です。
エアコンのつけっぱなしは、症状が現れるきっかけに過ぎませんでした。
私の声帯どうしたの？
先生の勧めもあって「音声学」専門の先生に診てもらう事にしました。
心当たりは、劇団時代に通っていた某病院。
場所柄、舞台俳優やTVタレントさんなども多く訪れる有名な病院です。
でもそれが大いなる間違いの元でした。
すごく傷つく結果になりました。
病院選び、先生との出会い、
とても大事です。
続きます。