ようやく声帯の所見がいい状態になって来ました。
正確に言えばまだ完治とは言えませんが、
「もう歌いながら治していく」段階に入りました。
筋肉や関節の怪我などもそうですが、
ある程度良くなってきたら動かさなければいけません。
いつまでも怖がってじっとしていたら、そのまま固まって本当に動けなくなってしまいます。
でもね、そうは言っても一度喉を壊すと本当に怖いのよ
お医者様が「もう大丈夫ですよ!」って言っても、すぐ声なんかでません。
ソプラノ歌手って本当に繊細な音作りと、計算された緻密な技術が必要だし、心理的な事も深く関わって来るから、思い切って出すことは本当に難しい
酷使のために浮腫んでグニャグニャになって、振動はもちろん、全然くっつかなくなった自分の声帯の映像を何度も見たので、そのショックと恐怖が頭から離れないのね
そう、完全なる酷使でした
6月からの度重なる講演会、長時間のWS、毎週末のコンサート稽古、連日のレッスン、そして自分の練習+精神的負担等々
声帯伸ばしたり縮めたり厚くしたり薄くしたり無茶苦茶だった
今考えたら、本当に何たる愚かさ、自分の本分をわきまえない浅はかさ
そんな自分に腹が立ってしかたがないけど、もう起こってしまったことだから仕方がない。あまり自分を責めるのもよくないから、もう許してあげようと思うのね。
耐えて耐えて耐えぬいて、ようやく声帯自体は良くなって来ました。
でも、だからと言ってすぐに歌えるとか、いきなり高音がでるとかじゃないのね。
低い音からじっくり声出しして、声帯を大きくゆったり振動させて筋肉を少しずつ動かしていくのね。
高音は声帯が長く細くなって超細かい振動を起こすから、声帯粘膜の表面の柔らかさがとても重要なのね。
使っていなかった声帯は、そう簡単にはいかないのよ。
でも、声を出すのを怖がって小さい声でしゃべり続けていると、筋肉も衰え、尚、声帯に負荷がかかってしまいます。
だからひそひそ話やウイスパーで歌い続けるのは本当に喉によくないのよ。
それから咳払いね。
喉にえへん虫がいると気になってどうしても大きな咳払いしちゃうよね、でも咳払いは声帯にとっても負荷がかかるのね、だからそういう時はお水を飲むとか黙って飲み込むしかないのね。
今日、言語聴覚士さんのレッスンを始めて受けました。
言語聴覚士って国家資格なのよ
まだ若い彼女の呼吸法や喋る時の発声、気を付ける事などの手ほどきを受けてね、凄く新鮮で新たな発見がいっぱいあったのね
それは普段私が、生徒たちに徹底的に言っている「呼吸」
私もね、色んなショックや嘆きや恐怖ですっかり忘れていました。
体を委縮させて、息止めて喋ってましたー
ああ、こんな事ってあるんだな
人生は一生勉強だって言うけど、今ほどそれを実感した事はないかも。
無理をしない事、
自分の本分とは何か?
休むこと、ケアをすること、
呼吸法を怠らない、
無茶な発声をしない、
奢らない、
自分を過信しない、
etc
etc......
言語聴覚士って凄い
音声障害を始め、様々な喉や声のトラブルに対処し、
適切な指示とトレーニングを教えてくれて、
悩める人々に安心感を与えてくれる存在。
まっ、ある意味ボイストレーナーと同じ存在。
あと10歳若かったら、私、資格とる勉強始めたかったな~
40代半ばで英検とTOEIC受けるために、英語教室に通ってたから、そのくらい何でもないしね
この辛い苦しい経験を決して無駄にはしません
ただで転んでたまるものか
新たに沢山書物を読んで、声帯の動画も写真もいっぱい見て、
薬の内容も勉強して、自分の肉体の変化を実体験し、
心も大きく揺れまくって、すごい濃い2か月弱だった(-。-;)
残念ながら、10月1日の宇都宮こコンサートは一旦中止となりました。
本当にやりたかったら、ふるさと宇都宮で愛猫バブのお話しをするのを切望していたから、悲しくて悔しくてたまらなかったし、お話を進めてくださった関係者や主催者の方に何とお詫びをしていいかわからなくて、胸が張り裂けそうでした。
楽しみに待ってくれていた方も沢山いて、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
でも、いつか必ず宇都宮では上演します。
待っててね、皆さん
11月12日のKIWAでのコンサートでは完全復活しますからo(^-^)o
もう落ち込みません、私